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BリーグNo.1勝率、川崎の秘密練習。
心を磨く12本連続フリースロー。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/04/07 11:30
勝利を積み重ねる川崎の北ヘッドコーチと篠山。指揮官の課した練習によって、選手たちがたくましさを増した。
シーズン中でも試合状況を想定したゲーム形式を。
一方、エースの辻が挙げたのは、通常の5対5のゲーム形式にひと工夫を加えるコーチの方針だ。
「終盤の残り2分になった場面を想定したものもありますし、同点の状態など、具体的な状況を設定して5対5をやることもありますね」
シーズン中はコンディション調整や対戦相手の研究に時間を割くことが多く、具体的なシチュエーションを設定した上でのゲーム形式の練習をする機会は多くない。それでも、週初めの練習の際にこのようなメニューが組まれることはある。
北は、その意図をこう話す。
「練習からたくさんのお客さんがいて、激しくブーイングをしてくれるような状況を作れれば最高ですけど、さすがに、そういうことは出来ないですよね。だから、そのかわりに、何をするかが大切なことなのだと思います。
残り時間や、追いつかれたあとの場面、同点の場面など、細かくシチュエーションを設定するのも、そうすれば選手の頭にそのイメージが残るだろうと思ってやっていますね」
辻、スパングラーの離脱があっても動じなかった。
川崎は4月1日に中地区優勝を決めたわけだが、現時点での成績は他地区のチームを抑えて、リーグ最高をキープしている。
Bリーグを代表するシューターである辻は、負傷の影響で1月から約2カ月間ほとんどプレー出来なかった。また新加入ながら開幕直後から素晴らしいパフォーマンスをみせていたライアン・スパングラーが現在もケガで離脱中だ。
それでも、彼らは成績を残している。
強さにはいくつかの要因があるが、その中でも欠かせないのが、実際の試合を想定したうえで、常にプレッシャーのかかる状況で練習をして鍛え上げられているという事実なのだ。