フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪2枠でも貴重な経験だった日本女子。
平昌五輪に出てきたサプライズの予感。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/04/06 10:30
フリー演技後、笑顔を見せた三原。平昌五輪に向けて、良い経験を良いタイミングで得ることができたはずだ。
ロシア連盟の広報担当官も、思わずもらい泣き……。
ポゴリラヤは、フリーの出だしが1回転ルッツになり、続いた3フリップで転倒。その後もジャンプの失敗が続き、フリー15位、総合13位と考えられない結果となった。
滑り終わるとポゴリラヤは、泣き崩れて氷の上に座り込んだ。
きちんと観客に挨拶をすることもままならず、去っていきながら体を2つに折って深々とお辞儀をした姿は、見ている観客の涙を誘った。
本人はノーコメントを貫き通したので、何が起きたのかはわからない。ロシア連盟の広報担当は「(怪我などではなく)ストレスでしょう」と一言言うと、彼女ももらい泣きの涙を拭った。
昨年の銅メダリストですらも、ここまで崩れることもある。フィギュアスケートというスポーツの恐ろしさを、改めて見せつけられた思いだった。
北米からきた女子選手たちが、ついに覚醒した!
良い意味でのサプライズもあった。
その筆頭が、カナダの女子2人が銀、銅を獲得したことである。カナダ女子のメダルは、2009年のジョアニー・ロシェット以来だ。
ケイトリン・オズモンドは今シーズン、素晴らしいSPを滑りながらもフリーで順位を落とすということを繰り返してきた。だがヘルシンキでは、フリーもほぼノーミスの演技を滑りきり218.13と自己ベストスコアを更新。2位を守って、初の世界選手権メダルを手にした。
「四大陸のあと、スタミナをつけるトレーニングをして、振付、ジャンプの順番などに少し手を入れた。何より全体のノーミスを目指すのではなく、1つ1つの技をできるだけきれいにこなすことに集中しました」と会見で語った。