フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪2枠でも貴重な経験だった日本女子。
平昌五輪に出てきたサプライズの予感。
posted2017/04/06 10:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
4月2日に無事終了したヘルシンキ2017年世界選手権。日本女子は全日本チャンピオンの宮原知子が疲労骨折で欠場という状況の中で、精一杯戦った。残念ながら平昌五輪の出場枠が2枠になるという結果に終わったものの、この大会は色々な意味で多くの意義があった。
その中でもフリーで見事な追い上げを見せたのは、17歳の三原舞依だった。
2月の四大陸選手権では、ベテラン勢を抑えて優勝し、大きな期待を寄せられていた三原。
今大会、ヘルシンキのSPでは前半、スピードにのった良い滑りを見せていたが、最後の3フリップが2回転になり、さらに転倒して15位という厳しいスタートとなった。
「意識していないところでプレッシャーを感じていたのかも」
と唇をかみ締めた。
だが2日後のフリーでは、冒頭の3ルッツ+3トウループから最後の3サルコウまで、7度の3回転ジャンプを全てノーミス。リンクを大きく使って、スピードのある軽やかな『シンデレラ』を演じた。
滑り終えると四大陸のときのように、胸の前で両手を握り締めてクルリと回り、笑顔を見せた。138.29で自己ベストを更新してフリー4位、総合197.88で5位までいっきに駆け上がった。
敢えて自己ベストで比較してみると……。
同じく初出場だった樋口新葉は、フリーで後半の2アクセル+3トウループで転倒など、いくつかミスがあり総合188.05で11位。三原の順位と足して16になり、3枠の条件である「合計13以内」には達しなかった。
宮原の代理として急遽出場となった本郷理華は、フリーで挑んだ3回転6回中、きまったのが3回のみで総合169.83で16位に終わった。