フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪2枠でも貴重な経験だった日本女子。
平昌五輪に出てきたサプライズの予感。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/04/06 10:30
フリー演技後、笑顔を見せた三原。平昌五輪に向けて、良い経験を良いタイミングで得ることができたはずだ。
ノーマークだったデールマンが強くなった理由。
銅メダルを獲得したガブリエル・デールマンは、2月に四大陸選手権で銀メダルを獲得するまでほぼノーマークだった選手である。
GPシリーズで表彰台に達したことのなかった彼女が、突然四大陸選手権から別人のように強いパフォーマンスを見せるようになった。
会見で、その理由をこう明かした。
「トレーニング仲間のディラン(モスコビッチ)とハビエル(フェルナンデス)に、『きみにはメダルを取る実力があることに気がつかないとダメだよ』と励まされ、それを心に抱いてここに来ました」
デールマンに能力があったことは疑いもないが、気持ちの切り替えでこれほど顕著に結果を出すことも可能なのだ。
日本の選手も含め、覚醒すればメダルを手にする可能性を秘めた実力のある選手は、もっといるはずである。
新全米チャンピオンのカレン・チェンの健闘も予想外だった。
期待されていた四大陸選手権では12位に終わり、世界選手権の枠取りを任せても大丈夫なのか、米国メディアからは不安の声が上がっていた。だがヘルシンキではSP、フリーとも大きく崩れることなく、総合4位。アシュリー・ワグナーの7位と合わせて、みごと3枠を獲得した。
このところ、女子はロシアと日本がメダルを競う構図がしばらく続いていたが、北米女子たちの本格的な参加により、また平昌五輪で何が起きるかわからなくなった。