フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦がフリーで見せた王者の気迫。
宇野2位で初メダルとなった世界選手権。
posted2017/04/03 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
五輪前の最後の世界選手権に相応しい、ドラマチックな男子の戦いだった。
男子の表彰式では日の丸が2つ上がり、会場となったハートウォールアリーナに「君が代」が流れた。
羽生結弦、二度目の世界選手権優勝。
宇野昌磨は初の世界選手権メダルで銀。
壮絶な戦いの末に勝ち抜いた2人だった。
SPでトップに立ったのは、切れ味の良いフラメンコを丁寧に氷上で表現し、4+3トウループ、4サルコウ、後半の3アクセルを完璧に降りたハビエル・フェルナンデスだった。5コンポーネンツでは、9人のジャッジのうち6人が音楽解釈で10点満点を与え、SP109.05と自己ベストスコアを更新して世界チャンピオンの貫禄を見せつけた。
宇野、チャン、ジンのコンディションも上々だった。
2位は映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のサントラで、4フリップ、4+3トウループ、後半の3アクセルと全てを成功させて、104.86とやはり自己ベストスコアを更新した宇野昌磨。
「練習でやってきたことがようやく出せたと思います」とほっとしたように笑顔を見せた。
パトリック・チャンはビートルズメドレーで、4+3トウループ、3アクセル、3ルッツときれいに降りて、フェルナンデスに次ぐ高い5コンポーネンツで102.13を獲得。初の100点超えに「4回転が一度でも100点を超えられることが証明できて嬉しい」と会見で安堵の表情を見せた。
『スパイダーマン』のプログラムで4ルッツ+3トウループ、3アクセル、4トウループをきれいに着氷し、最後まで切れ味の良い演技を見せたボーヤン・ジンが98.64で4位。体がよく動いており、シーズン最後にプログラムを完成させてきた。