フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪2枠でも貴重な経験だった日本女子。
平昌五輪に出てきたサプライズの予感。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/04/06 10:30
フリー演技後、笑顔を見せた三原。平昌五輪に向けて、良い経験を良いタイミングで得ることができたはずだ。
シニア世界選手権初挑戦で五輪枠の責任は、重すぎた。
スポーツに「もし」は禁物だが敢えて言うなら、この大会でそれぞれが自己ベストスコアを出していたら、三原が4位、本郷が5位、樋口が7位になっていた。
その意味では世界を相手にしても、決して歯が立たない顔ぶれではなかったはずだ。
だが三原、樋口ともにシニア世界選手権初挑戦でいきなり五輪枠の責任を背負わされたのは、やはり相当なプレッシャーになっただろう。
五輪という舞台に向けて、良い経験になったと思いたい。
枠を減らしたのは残念だが、同時に来季の五輪シーズンに向けて、良い経験にもなったはずだ。
選手にもよるだろうが、五輪の初舞台というのは、半端な緊張度ではないという。
村上佳菜子は2014年ソチ五輪前に先輩の浅田真央と鈴木明子から、「初出場の五輪はほとんど頭が真っ白になって覚えていない」と事前に聞かされた。
「本当に覚えていないんです」と村上自身も、ソチ五輪終了後にコメント。選手にとって五輪とは、それほどの緊張とプレッシャーを強いられる特別な大会なのだという。
その意味において、特に若手2人にとってヘルシンキ世界選手権の大舞台は、来季の五輪の予行練習として大きな意味があったはずだ。
サプライズが続出した、今大会の女子フリー。
ヘルシンキ世界選手権の女子で、このところ不敗を保っているエフゲニア・メドベデワがタイトルを守ったのは、大方の予想通りだった。
だがそれ以外は、数々の予想外の結果が続出した。
中でもショッキングだったのは、SP4位スタートだったロシアのアンナ・ポゴリラヤが3度転倒して総合13位に終わったことだろう。