eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER

何度目かの「eスポーツ元年」到来。
日本一を決める大会で感じた前進。

posted2017/02/03 17:00

 
何度目かの「eスポーツ元年」到来。日本一を決める大会で感じた前進。<Number Web> photograph by Negi Yagi

演出も派手だが、それ以上に選手たちの表情が印象に残る。「見せる」という意識において、すでに多くの競技を上回っている。

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八木葱

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「eスポーツ? ああ、知ってる。あれでしょ、ゲームのやつでしょ?」

 そう、その「あれ」である。

 テレビやPC、時にはスマホのゲームで腕を競うeスポーツは、世界のスポーツ界にとって「巨大な未開拓エリア」として参入競争が続いている。欧州サッカーの世界ではマンチェスター・Uやシャルケといった名門クラブが、アメリカに目を移すとNBAやMLBのチームや運営がeスポーツチームを買収したり放映権を購入したりと活発に活動している。当初は人気先行のバブル感もあったが、徐々に経済規模もついてきており、なんとお隣の韓国では、とあるeスポーツの選手が、野球やサッカーを含めても「国内で最も年俸が高いアスリート」になっている程なのだ。

 そんなeスポーツが、日本でも徐々に存在感を増している。

決勝には東京ヴェルディのチームも!

 3種類のタイトルで日本一を決める日本eスポーツリーグは、日本でのeスポーツの広がりを象徴するものの1つである。その決勝戦が、先日華々しく行われた。

 北は北海道、南は福岡まで全国から集った6チームが、サッカーゲーム『FIFA17』、格闘ゲーム『BLAZBLUE』、シューティングゲーム『OVERWATCH』という、ジャンルも人数も違う3つのタイトルで競うこのリーグ戦。3カ月にわたるリーグ戦を戦い抜いた2チームが、東京・西葛西の決勝会場に集った。

 決勝戦に進出したのは、リーグ1位のサイクロプス大阪、リーグ2位の東京ヴェルディ。お気づきの通り、Jリーグの「東京ヴェルディ1969」が保有するチームだ。日本ではプロスポーツチームがeスポーツチームを持つのは初めてのケースで、決勝の会場でもマスコットのヴェルディ君が愛嬌を振りまいていた。

 eスポーツというとよく勘違いされるのが、大会の賞金で生活している「賞金稼ぎ」のような業態ではないか、ということだ。しかし、この日本eスポーツリーグの賞金は0円。チームとしてはプレーを見せる・魅せることでスポンサーを獲得し、選手たちを抱えるという形を取っている。

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