eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER

「1回目」のハードルが凄まじく低い。
eスポーツはITとスポーツの申し子だ。

posted2017/03/08 17:00

 
「1回目」のハードルが凄まじく低い。eスポーツはITとスポーツの申し子だ。<Number Web> photograph by Negi Yagi

オランダのエールディビジでは、全クラブがeスポーツのプロと契約してリーグ戦をする、という計画も進んでいるという。

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 あるスポーツがメジャーになる条件の1つに、自分ではプレーしない、経験のない人が観戦するようになる、というのがあると思う。

 最近だとテニスやラグビーがまさにそうだし、遡れば1993年のJリーグも同じことが起こったのだろう。

 では、日本で次にその「プレーヤーの壁」を超えてブレイクスルーを果たす競技ジャンルは何か。

 新たにオリンピックに加わった競技などに加えて、その可能性が高いものの1つにeスポーツがあると思う。

 その予想を裏付けるような体験が、先日開催された「日本eスポーツ選手権」であったので紹介したい。

「日本eスポーツ選手権」は、『OVERWATCH』、『Counter-Strike』、『DEAD OR ALIVE5』、『GUILTY GEAR Xrd』、『FIFA17』という5種目の日本一を決める大会だ。

 東京、大阪、オンラインなどの予選を勝ち抜いたトッププレーヤーたちが集うのはもちろん、ファンやプロチームのスカウト、さらには大学教授や国会議員が駆けつけ、会場には濃厚な空気が充満していた。

会場にいた、18歳の高校生2人。

 通常この手の大会で、ファンは1つのタイトルにしか興味がない。サッカーゲームならともかく、シューティングや格闘ゲームでは、何をやっているかわかりづらいケースもあるからだ。もちろんこの日も、贔屓の選手や好きなタイトルを観戦して会場を後にした人もいたに違いない。しかし、この日会場で最初に話しかけた18歳の高校生2人組の話が面白かった。

「僕らも普段ゲームはしてるんですけど、この大会のタイトルは1つもやっていないんですよ」

 ではなぜこの会場に……? 正直に言えば、そんな疑問が頭に浮かんだ。

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