eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER
eスポーツが日本で急拡大する3要因。
「○○離れ」した若者を吸収中!?
posted2016/04/16 10:40
text by
八木葱Negi Yagi
photograph by
Negi Yagi
4月10日、原宿駅から程近い代々木第二体育館には、長蛇の列ができていた。
1964年東京五輪のバスケットボール競技なども行われた「スポーツの聖地」でこの日開催されたのは、急成長するeスポーツの中でも最大規模を誇る『リーグ・オブ・レジェンド(以下LoL)』の日本一を決める大会だ。
最近ではテレビで目にする機会も増え、知名度も上がりつつあるeスポーツだが、実際に代々木第二体育館が1500人に及ぶファンが詰め掛けて満員になった様子は、その勢いを十二分に体現していた。
『ストリートファイター』、『スマッシュブラザーズ』などの日本で有名なeスポーツタイトルに比べても、LoLはモンスタータイトルと言えるゲームだ。
世界のプレーヤー人口は7000万人、日本でも3月のサービス開始以来急増中で、すでに10万人以上のプレーヤーがいると言われている。
今年4月には、代々木大会にも出場したチーム「DetonatioN」の韓国人選手2人に、eスポーツプレーヤーとして日本ではじめてプロアスリートビザが発給されたことも話題になった。アメリカでは一般的になりつつあるが、ヨーロッパではまだ取得が難しい国もあるアスリートビザが発給されたことで、日本は世界のトップシーンに大きく近づいたことになる。
目の肥えたプレーヤーは、面白いものに反応する。
eスポーツが近年急拡大しているのには、大きくわけて3つの理由があると私は考えている。
1つは、日本がゲーム大国であるということ。任天堂、ソニー、セガを生み出した日本は、モバイルゲームの流行でもわかるように、元々ゲームをプレーする習慣のある人がとても多い。そして、目の肥えたプレーヤーであればあるほど、面白いゲームには敏感に反応する。
それなりに高いスペックのPCがプレーするのに必要で、かつオンラインで人と競うLoLのプレーヤーがここまで爆発的に増えるのも、この土台があればこそだ。