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石川遼が4時間アップをする理由。
好スタートの陰に新・肉体調整法。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2017/01/24 07:00
年間通じてのラウンドが求められるプロゴルファーだからこそ。石川は自らの肉体と対話してコンディションを整える。
「脳からカラダを治します」を実際に体験してみた。
「脳からカラダを治します」
トレーナーの名刺には、そう謳われていた。その意味も最初はわからなかった。
百聞は一見にしかずということで、石川がそのトレーナーから受けている肉体調整法のほんの一部を、私が実際に体験してみることになった。
「立ったまま、背中側で両手を(手のひらを上にして)組んでみてください」
言われた通り、私が背中側で組んだ両手のひらの上にトレーナーは自分の拳を乗せ、体重をかけながら押し下げていった。
「こらえられるだけ、こらえてくださいよ」
まるで手品か魔法のように重心の調整が。
しかし、ある時点で私は体のバランスを崩し、よろけてしまった。同じことを背中側だけではなく体の右側、左側、正面でも行った結果、トレーナーは私の体の歪みを即座にこう指摘した。
「重心が体の右前に動いてしまっている。でも、すぐに治してさしあげましょう」
右手の甲、左手の甲、そして頭を本当に軽く優しく触るだけ。所要時間は、わずか3分? いや、2分?
「はい、重心の調整ができましたよ。それでは、もう一度、両手を組んでみてください」
数分前に行ったのと同じように、体の前後左右で組んだ私の両手のひらをトレーナーが押し下げていくと、さっきまではすぐにふらついてしまった背中側や体の左側で、私の体は全然ふらつかなくなっていた。体全体、とりわけ下半身の安定性が増したと実感できた。
それが「脳からカラダを治す」ということらしい。
すごい! まるで手品か魔法のようだった。