オリンピックPRESSBACK NUMBER
内村航平のプロ化で収入や活動は?
日本体操界初の試みは成功するか。
posted2016/12/19 11:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
AFLO
史上最高の体操選手と称されている内村航平が、5年半所属したコナミスポーツを11月いっぱいで退社し、12月1日から日本体操界初の「プロ」に転向した。
27歳の内村は、ロンドン五輪とリオデジャネイロ五輪での個人総合2連覇をはじめ、リオ五輪では主将として日本に12年ぶりの団体金メダルをもたらすなど、3度の五輪で金メダル3、銀メダル4、6度の世界選手権で金メダル10、銀メダル5、銅メダル4を持つ、世界屈指のアスリートとして知られる。
プロ転向表明の際、内村は「競技力を維持するのを第一としながら、体操の普及にも力を入れたい」との抱負を語っていたが、実際のところ、今回のプロ転向で収入や活動はどのように変化するのだろうか。
アマチュア選手のプロ転向にはアスリートの地位向上やプレゼンス向上という共通の目的があるが、収入や活動スタイルに関しては、統一契約書のあるサッカーやプロ野球などとは違い、選手によってそれぞれ異なる。
収入はプロ化でやはり増えるのか?
まずは多くの人の関心事であろう、収入について。
これまで内村には会社からの給料や、JOCや日本体操協会からの選手強化費などの他、JOCが行う「選手強化キャンペーン」の1つである「シンボルアスリート」の契約料が「協力金」という形で支払われていた。
シンボルアスリートには、選手によって3段階の契約内容がある。'09年からシンボルアスリート契約を結び始めた内村は、'12年ロンドン五輪を終えた後に、'20年までの長期契約を結んだ。契約内容は、たとえ内村が現役を引退しても、体操界に残る形を取れば、'20年までは協力金が支払われるというもの。シンボルアスリート契約の中では最上級の内容だ。