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2019年のワールドカップのために。
大西一平とストリートラグビーの挑戦。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph bySports Graphic Number
posted2016/11/30 07:00
境内の小さなスペースに人工芝を敷くと、そこがラグビーのフィールドに! 老若男女だれでも参加できるれっきとした“ラグビー”だ。
2019年までに、ラグビー文化をストリートから育成。
今年6月には、日本ラグビー協会や日本ラグビーフットボール選手会とも連携して、一般社団法人「STREET RUGBY ALLIANCE」を設立。大西さんは副代表理事に就任し、この新競技を日本中に広げていこうと日々陣頭指揮をとっている。
「2019年、ラグビーワールドカップが日本で開催されます。その時には、もっと多くの人にラグビーを身近に感じてもらいたいし、ラグビーが日本の文化として根付いていてほしい。そのためにも、街中にどんどんブレイクダウンしていける(接点を作ることができる)このストリートラグビーを広げていけたらと思っています。
トップリーグの会場横でやるのもいいですし、大型商業施設の中でやるのも面白い。
日本だけではありません。イングランドやオーストラリア、アイルランドのラグビー関係者も『一緒にやろう』と声をかけてくれています。まさに“アライアンス(同盟関係)”で、どんどん仲間とのつながりが増えている。
ラグビーというスポーツそのものの本質が、人と人との結びつきで成り立っていることもあって、ソーシャルキャピタル(地域・社会の人々の結びつきを高めるネットワーク概念)のツールとしても、大きな可能性を秘めていると日々手応えを感じています」
あなたもインストラクターになれるかも!?
ストリートラグビーは、3つのコンセプトを掲げている。
詳しくは公式サイト(https://street-rugby.com)をご参照いただきたいが、ここで紹介しておきたいのは、「100万人」という数字だ。
「今、35歳以上のラグビー経験者はおよそ100万人いる、といわれています。ただ、競技を終えると、ラグビーボールをまったく触らなくなってしまう方がとても多い。彼らが再びラグビーボールを手にして、ストリートラグビーのプレイヤーになると同時に、伝道師、アンバサダー的役割を果たしてくれたら、と願っています。もちろん、未経験者でもかまいません。性別も問いません」
公式サイトでは現在、ともにプレーをしてくれる、また、インストラクターになってくれる方(17歳以上)の登録が始まっている(登録すると「ストリートラグビー憲章と競技規則、安全対策」がメールで送られてくる。大西さんはじめ関係者の英知が注がれた力作だ)。
2019年、ワールドカップの試合が開催されているスタジアムのすぐ隣で、人々が人工芝のフィールドを駆け回り、ストリートラグビーを仲間たちと楽しんでいる――。
そんな未来が実現すれば、日本のスポーツはもっともっと、面白くなる。