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2019年のワールドカップのために。
大西一平とストリートラグビーの挑戦。 

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posted2016/11/30 07:00

2019年のワールドカップのために。大西一平とストリートラグビーの挑戦。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

境内の小さなスペースに人工芝を敷くと、そこがラグビーのフィールドに! 老若男女だれでも参加できるれっきとした“ラグビー”だ。

小さいスペースで安全にプレーできるスポーツに。

「もともとは僕が練習プログラムの1つとして、10年ぐらい前からトレーニングに取り入れていたものなんです。昨年夏、東京日本橋・八重洲さくら商店街のお祭りのイベントの1つとしてラグビーを取り入れたい、という依頼が知人からあり、そこでこのプログラムを初心者も経験者も楽しめる形に整備しました。チームメイトとのコンビネーションや、空間認知能力やスピード、パワーをどう駆使していくかといった、ラグビーというスポーツのエッセンスがわかりやすく詰まっているし、何よりもやっていて楽しい。よい形が作れたと思っています」

 ラグビーボールを用い、横あるいは後ろにパスをつないでボールを敵陣奥のインゴールにグラウンディングするのは通常の15人制ラグビーと変わらないが、大きく違うのは前記したようにコートのサイズと人数、そして参加者の安全を考えてタックルが禁止されていることだ。

 また攻守が入り乱れるのではなく、レフェリーの笛によって明確に切り替わり、ボール保持者が守備側の選手に3度タッチされたり(1タッチごとにプレイは一旦止まり、そこからまた再開される。野球の“3アウトチェンジ”のイメージだ)、前方へのパスやタッチラインからボールが出た場合は攻守交代となり、攻撃は常にゴールラインから12m離れたスターティングゾーンから一方通行的にスタート。試合時間も最大2分とコンパクトでスピーディーだ。

エディー・ジョーンズもルール監修に参加!

 大西さんのほか、昨年のワールドカップで日本代表の躍進を導いたエディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチもルール監修に関わっており、シンプルかつ安全で、ラグビーのエッセンスが詰まったニュー・スポーツが誕生した。

 件のお祭りでもイベントは大成功。そこから大西さんたちのチャレンジが始まった。

「全国の自治体や教育現場の方々に興味を持ってもらえたこともあって、それから1年3カ月でストリートラグビーのイベントを30カ所以上で開催することができました。観客数はのべ50万人以上、体験者も1万5000人に近づいています。大人と子供の比率は半々で、上は80歳のおじいちゃんから、下は1歳半まで(笑)。けが人も、これまで1人も出ていません」

【次ページ】 2019年までに、ラグビー文化をストリートから育成。

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