話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
リーグ9連敗、窮地の湘南スタイル。
降格危機の今こそ愚直さを思い出せ。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/09/17 07:00
昨年までの同僚、秋元の守るFC東京ゴールマウスを破れなかった。それでも湘南の選手たちは闘争心を絶やさないでいる。
試合直後、40分以上にわたる選手ミーティングが。
試合後、危機感を感じた選手たちはロッカーで急遽、選手ミーティングを開いた。キャプテンの高山薫が音頭を取り、40分以上に渡って選手それぞれが思っていることをぶつけた。
試合には悪い流れの時間があるのでいい時間にもっていけるように意志統一してやろう。
チームとして何をやりたいのかを考えつつ自分たちのスタイルを変えずにやろう。
そういった話が出たようだが、おそらく現状への不安な声も出たはずだ。勝てなくなれば、自分たちのサッカーはこのままでいいのかという疑念が生じてくる。スタイルを追求するばかりではなく、現実的に勝てる戦いをまず優先すべきじゃないのか。湘南は以前、引いて速攻を仕掛けるスタイルを主にしていたが、試合によってはそういう意識で入ってもいいのではないか。そう考える選手がいても不思議ではない。実際、高山はそうした疑念の影響を完全には否定しなかった。
「自分たちのサッカーが揺らぐとか、みんなそういう風に思ってやっていないと思うんですけど、もしかしたらそういうのが影響しているのかもしれない。何か足りないものがあるから勝てないんで」
チョウ監督「本当のおまえたちが分からない」。
選手の気持ちに迷いが生じているからこそFC東京戦の前半、中途半端なプレーに終始してしまった。これでダメならJ2に落ちても仕方がないと覚悟できれば思い切り戦えるはずだ。だが、チョウ監督が「本当のおまえたちが分からない」とこぼすぐらいなのだからチームは気持ち的にも戦術的にも一つになっていないということだ。
高山は、それでも立ち戻るべきは湘南のサッカーしかないと考えている。それを変更してしまうと、これまでの戦いを否定したことになってしまうからだ。
「自分たちのサッカーを突き詰めてやりたいという気持ちは、みんなで話をした感じ持っている。それをなかなか試合では出せないんですけど、それをどう試合につなげるか。湘南はしっかり練習して、それが試合に出るチームだと思うから明日から練習して今日の反省を生かせるようにというがんばろうという話を(ミーティングで)しました」