話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
リーグ9連敗、窮地の湘南スタイル。
降格危機の今こそ愚直さを思い出せ。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/09/17 07:00
昨年までの同僚、秋元の守るFC東京ゴールマウスを破れなかった。それでも湘南の選手たちは闘争心を絶やさないでいる。
「いい意味で練習みたいに試合ができれば……」
高山が言ったことを実現するのではあれば、まずはチョウ監督の要求に選手が応えなくては成り立たない。指揮官のいうことを愚直に守って、死にもの狂いで戦う。クラブも残留への本気を見せる。高額でも点の取れる選手を獲得するなど、そういう姿勢を見せてこそクラブとチームが一体となって残留への道が開けるのではないだろうか。
「何も恐れないで、ミスも気にしなくてもいいと思う。そうしたらどんどん追い越すとか湘南らしい勢いも出てくると思う。練習では本当にいいプレーができているし、いい意味で練習みたいに試合ができれば……」
高山は、祈るようにそう言った。
18チーム中、随一とも言われる練習の厳しさが湘南スタイルを支えてきた。それが選手の拠り所にもなっている。いい練習ができたと満足しているだけでは勝てないが、勝敗は紙一重なのでひとつ勝てばキッカケをつかめるかもしれない。
果たして、湘南らしさを取り戻し、連敗をストップできるだろうか。次節、17日の福岡戦は「奇跡の残留」に向けて極めて重要な試合になるだろう。