サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
岡崎慎司に代表でも主張して欲しい。
「俺のスペースを消すな」で得点を。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/09/11 11:00
両サイドのウイングが中へ入り、ボランチも前に出てくる状態で、岡崎慎司のスペースはどんどん狭くなっている。
ハリルは岡崎のプレーに満足していない?
それは日本代表でも変わらない。
「原口と宇佐美と3人でのミーティングのとき、監督が『90何試合も出ている岡崎でも、シンガポール戦で先発を外れたんだぞ』と話した。席は自分で奪いとらなくちゃいけないって。若いふたりだけじゃなくて、僕にもそうやったプレッシャーをかけたんだと思います」
昨年11月、岡崎がそんな話をしてくれた。そのシンガポール戦では金崎が先制点をとり、3-0と勝利している。その試合を岡崎は90分間ベンチで見守った。現体制で試合に出場しなかったのは初めてのこと。「監督は僕のプレーに満足していない」と感じていたという。
その想いは、66分で交代を告げられたUAE戦でも、出場のなかったタイ戦でも同様だった。
「ストライカーとして『こいつはやってくれる』というのを見せられていない。他の選手がいることは十分にわかっている。確かにチームとしての課題や問題はあるけれど、僕がゴールを決めていれば、チームは楽に焦ることなく戦える。ゴールを仕留めることで、信頼も得られるだろうし、それがチームをひっぱっていく、支えるという仕事に繋がっていく。それができなければ、外されるのは自分たちのような(ベテラン)選手だから」
堅守速攻で戦うレスターとのサッカーの違い。
最終予選2試合を経て、点取り屋としての決意を改めて感じた。
「プレミアリーグにもチャンピオンズリーグにも、僕はゴールを獲りに、ストライカーとしてチャレンジしている。タイ戦を終えて、その気持ちをより強くしている。レスターで試合に出ること。そのうえで(汗かき役という)役割以上のものを見せる。もう1個乗り越えなくちゃならない」
堅守速攻を持ち味とするレスターでは、攻撃に転じた際のスペースは広大だ。逆にアジア予選を戦う日本代表では、引いた相手と対戦しなければならない。
「レスターでは広いスペースがあって、自分の好きなように動ける。でも、引いた相手に対してやることについては、実は解決していない部分がある。狭いなかでまわりとコンビネーションを合わさせたり、そういう連携面での難しさはある」