2016年の高橋由伸BACK NUMBER
「長嶋茂雄=高橋由伸」説は本当?
監督初年度は最下位&カープの優勝。
posted2016/07/19 17:30
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Nanae Suzuki
お家の事情から、2016年の巨人監督を急遽務めることとなった高橋由伸。この青年監督に一体どんな日々が待ち受けるのか、どう振る舞うのか、これ、ハッキリ言ってとんでもないドキュメントであり、究極のリアリティーショーだと思うのです。
もうひとつ、各メディアで「1年目の高橋由伸」がどう伝えられているのかを知るのも私の興味である。さっそく今回もはじめよう。
前半戦を由伸巨人は借金1の2位で終えた。2位と言っても広島とは10ゲーム差。さらに、チーム打率と防御率はリーグ5位。
この数字をどうみるか?
面白かったのは東京スポーツの「本紙巨人担当&遊軍記者は見た 由伸巨人の真実」(7月15日)という座談会の記事である。
巨人の得失点差はマイナス56点でなんとセ・リーグのワースト。これで2位なら健闘では? という意見に対し、メジャー担当の記者がある数値を持ち出す。
《セイバーメトリクスにも得失点差を用いた“ピタゴラス勝率”という指標があってだな。これがメジャーでは監督の“采配力”を示すともいわれているんだ。その数式(総得点の2乗÷総得点の2乗+総失点の2乗)に巨人の成績を当てはめると4割1分1厘。実際は4割9分4厘だから、チームが接戦に強いか、由伸監督が相当優秀だってことになるな。》
なるほど、ピタゴラス勝率によれば、由伸監督の采配は優秀なのか。
貧打で少ない得点をなんとかやりくりする1年目の由伸。なんかいじらしい。
高橋由伸監督の“恐怖の二度見”。
では「監督・由伸」のキャラクターはどうなのだろう。
クールで動じない印象があるが、そんな私の認識を変えたのが同じ東スポの約2週間前の記事。
「巨人ナインが気付いた高橋由伸監督“恐怖の二度見”とは」(東スポWeb 6月30日)
ある選手曰く「監督が一番嫌うのは、ボーンヘッドと同じ失敗やミスを繰り返すこと」であり、「怒って何かを蹴飛ばしたりというようなことはないはずですけど、実は本当に頭にきた選手には静かに“二度見”するんですよ」と述べている。
由伸の二度見とは何か?