2016年の高橋由伸BACK NUMBER
「長嶋茂雄=高橋由伸」説は本当?
監督初年度は最下位&カープの優勝。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byNanae Suzuki
posted2016/07/19 17:30
練習を見つめる高橋監督の目線の先にいる選手は……。高橋監督からガンをとばされた選手は生きた心地がしないという。
静かなだけに余計に怖い、高橋監督の目線。
《直接的に叱りつけることはなくても、怒りの原因となった選手には鋭い視線を送り、一度は心を落ち着けるかのように目線を落とす。だが、それでも収まらなければ、直後に「もう一べつ」を食らわせる傾向があるという。ちょっとした動きにもナインは敏感で「無言なだけにいっそう怖いです」とビクビクなのだ。》
つまり、「ガンとばす・ガンつける」ということだろう。
静かな人ほどいざ怒ると怖い。これはプロ野球だけでなく我々の周囲でも当てはまる。ちなみに、先ほどの東スポ座談会では「二度見」記事を書いた記者も出席しているのだが、「つい先日も、背信KOの高木をベンチで“五度見”していましたからね。あれには周りの選手も凍りついていました」と証言している。
五度見までさせる高木、しっかりしてくれ。
イヤな予感しかしない「長嶋茂雄=高橋由伸」説。
続いては「長嶋茂雄と高橋由伸と広島カープ」の奇妙な因縁について。
現役を引退してそのまま監督に就任した高橋由伸は、第一次の長嶋茂雄監督との類似点を言われてきた。ともに偉大な前任者を引き継ぐ構図も似ている。
球団も「波乱万丈な青年監督の1年目」を意識したんだろう。開幕時に制作したCMも、当時の長嶋監督と高橋監督をCG合成で共演させ「彼らの姿が重なるのは、偶然か、運命か」「由伸しかいない。巨人の歴史がそう言った」と派手に演出した。
しかし、もし監督として「長嶋茂雄=高橋由伸」説であるなら、歴史を知るファンはイヤな予感しかしない。
そう、長嶋茂雄監督(第一次)の初年度の成績は最下位だったからだ。実は、高橋由伸の今の状況もどことなくあの時に似ている。そこをくわしく報じたのが次の記事。
「Gショック!!4位転落、借金『5』 長嶋巨人の1年目に酷似 迫る最下位、赤へルの独走」(夕刊フジ・7月4日)
《長嶋監督1年目の1975年は投打の主力が盛りを過ぎ、打線の大黒柱だった王が故障で出遅れ、大物助っ人ジョンソンの不発なども重なって球団史上初の最下位に沈んだ。》
今年はどうか。「大黒柱の阿部は故障で出遅れ、正捕手復帰は白紙状態。助っ人ギャレットの4番構想も崩れている。」
ああ、似ている。
とくにジョンソンとギャレット。