松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
リオ五輪の辞退、日本ツアーの登録。
“懸案”が解決して松山英樹が復調?
posted2016/07/04 17:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
これは、デジャヴ?
そう感じたのは、世界選手権シリーズのブリヂストン招待2日目。ガラガラと崩れていく松山英樹のラウンドを眺めながら、2週前の全米オープンで予選落ちしたときの松山の姿を思い出していた。
オークモントの松山は出だしの4ホールで上位浮上も目前という好発進を切りながら、5番からの1つのミス、1ホールのミスがきっかけとなって「だんだん、うまくいかなくなって、自信がなくなった」と尻すぼみになった。その流れは第2ラウンドでも変わらず、通算12オーバーで予選落ち。
「練習では自信満々になってスタートできるけど、だんだんだんだん、1ラウンドが終わったころには、ほとんどないぐらいになっている。そういうラウンド続いている」
高めたはずの調子も自信もプレーを進めるにしたがって徐々に萎み、最後には肩を落とす。オークモントで見たそんな松山の姿は、ブリヂストン招待でもそのまま見られた。
「うまくいかないことが続きすぎて……」
大会の舞台、ファイアストンCCは手作業で造成された古いコースに特徴的なスモールグリーンばかりが連なり、おまけに硬くて速い。そんな難コースで松山は初日をイーブンパーの70で回り、あと1つ伸ばせばトップ10という好発進を切った。
だが、2日目は3連続ボギー発進となり、折り返し後も2連続ボギー、さらにダブルボギーが3つという大荒れで79を喫し、3日目は73とスコアはやや改善されたものの、「なんでこんなに打ってるんだろう?」と彼自身が首を傾げる原因不明の不調ぶり。
「打った瞬間はピンに“付いた”って思う」
ショット自体は完璧のはず。それなのに実際はオーバーしたりショートしたり。
「いいショットがミスになるとショックが大きい。しょうもないミスもショック。常にミスしているような感じ。うまくいかないことが続きすぎて、マイナス思考に入ってる」
弱い面を見せまいと強がり、肩肘さえ張っていた以前の強気な松山は、そこには見当たらなかった。