#sotaronbaBACK NUMBER
レブロンの悲願かウォリアーズ王朝か。
今季NBAファイナルで革命が起こる!
posted2016/06/02 10:50
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Getty Images
さあ、NBAファイナルを戦う2チームが出揃いました。
東地区は開幕からの予想通り、キャバリアーズが4勝2敗でラプターズを破り、カンファレンスファイナルを制しました。
対する西地区ですが、王者ウォリアーズとサンダーが第7戦までもつれるまさに死闘を演じ、最後はウォリアーズが2年連続でファイナル進出を決めました。
ウォリアーズは、先月のコラムでも取り上げたサンダーの「意地」に苦しめられました。優勝候補だったスパーズを4勝2敗で撃破し、意気軒昂とウォリアーズの前に現れたサンダーを止めるのは、NBA史上初の満場一致で今季シーズンMVPに輝いたカリー、そしてカリーの相方として得点を量産するトンプソン、昨季ファイナルMVPのイグダーラやグリーンと役者の揃うスター軍団をもってしても、容易ではありませんでした。
ウォリアーズが今シーズン73勝を達成した最大の武器と言われた「スモールラインナップ(またの名をDeath lineup=死のラインナップ。オールラウンドな選手主体の速いプレー戦術)」は、サンダーの個々の身体能力と運動量に敵わなかったのです。
レギュラーシーズン中に「ビッグラインナップ」で対抗された時は、遅い試合展開に持ち込まれましたが、サイズをキープしたまま挑んできたサンダーには、自分達より早いペースでプレイされてしまいました。スモールラインナップのウォリアーズは、相手のサイズが自分たちよりも大きいにもかかわらず、運動量とペースで振り切れない。当然インサイドでも勝負できないという今まで経験したことのない壁にぶち当たりました。
レギュラーシーズンで無敵だったはずが……。
あのウォリアーズが為す術がない状況に陥っているのを見て、信じられないと感じた人も多かったと思います。
このシリーズを何の予備知識もなく初めて観戦した方には、強者がサンダー、苦しみもがき、必死に食らいついてる弱者がウォリアーズというように見えたことでしょう。
現に、シリーズを通してサンダーがリードしている時間の方が圧倒的に多かったのです。
しかしシリーズを勝ち抜いたのは劣勢だったウォリアーズ。サンダーは3勝1敗と王手をかけた状況からの3連敗、ウォリアーズは絶体絶命の状況から3連勝。
何が両チームの運命を変えたのか。
それは信じる気持ちの違いでした。