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レブロンの悲願かウォリアーズ王朝か。
今季NBAファイナルで革命が起こる!
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byGetty Images
posted2016/06/02 10:50
カンファレンス決勝、最終戦の直後。お互いに抱擁を交わしたカリーとデュラント。
プレーオフで驚異的な成長を見せたサンダー。
サンダーはプレーオフに入ってからの1カ月半で驚異の成長を遂げました。KD、ウェストブルックはもちろんですが、周りのアダムズ、ロバーソン、ウェイターズが2人をサポートする役割に徹しはじめました。攻撃の穴と言われたロバーソン、守りの穴と言われたカンターやウェイターズを有効に使った新人監督ドノバンの采配も抜群に冴えわたり、まるで魔法がかかったかのように全てが噛み合いました。
一方、ウォリアーズはカリーの状態が万全でない上にサンダーに圧倒され、最優秀監督賞を受けたばかりのカー監督のアジャストは遅れ気味で時には無策でお手上げ状態にも見えた場面もありました。
そんな状況の中、ウォリアーズはフラストレーションを溜めながらもお互いを鼓舞し続け、不調のカリーも相方のトンプソンが当たっていると感じた時は「君が輝く時だ」と言い続けました。チームのスターから青信号を出されたクレイはプレッシャーを力に変えチームを救う値千金のショットをいくつも決め、主軸のカリーの復調を待ちました。シュートが不発のカリーに対してチーム一丸となっての地道な辛抱は7戦目で実り、勢いを取り戻した世界一のシューターは土壇場で実力を証明しました。
一方サンダーは勝ちたい気持ちが裏目に出てしまい、7戦目のプレッシャーがかかった状況でミスが出た際に、ベンチでお互いを責め合う姿が見られました。
高確率で決まっていたロバーソンのスリーも不発、最後は打つのを躊躇するような状態に。ディフェンスで身体を張っていたウェイターズやカンターにもミスがポロっと出ました。
第7戦、最も大切な場面で、味方を責めている間にチームのケミストリーに変化が生じ、サンダーの魔法はとけてしまったのです。
第6戦で勝負を決めたキャブズは休養十分。
ハリウッド映画のヒーローのように、ボロボロになりながらもメンバーを信じ相手を倒していくカリー率いるウォリアーズが次に対戦するのは、キング・レブロン率いるキャバリアーズ。
ついに大ボスとの対戦です。
7戦まで戦い続け疲れているウォリアーズに対し、キャバリアーズは休養も万全。昨年怪我でファイナルで戦えなかったラブとアービング(第1戦のみ出場)も好調です。大方の予想はキャバリアーズ優勢となっています。
しかしこのシチュエーションこそが、ウォリアーズが望んでいた状況とも言えます。