熱血指揮官の「湘南、かく戦えり」BACK NUMBER
湘南サポーターと激論交わした曹監督。
あの時、本当に伝えたかったこと。
posted2016/05/24 11:20
text by
曹貴裁Cho Kwi-Jae
photograph by
Shonan Bellmare
5月21日の仙台戦終了後、スタジアムのサポーターと激論を交わした曹監督が、予定していた記事配信日時を前倒しして「今の思い」を特別公開します。
*本連載ではチョウ・キジェ監督の氏名表記方法につきまして、湘南ベルマーレとの協議により「曹貴裁」と統一いたします。
<試合結果>
5月21日(土)J1・1stステージ第13節
湘南0-1仙台
(@Shonan BMWスタジアム平塚)
ホーム初勝利を目指す湘南は前半、仙台に攻めたてられ我慢の時間を強いられる。後半に入るとシンプルにつないで攻撃の形を作ったが、76分、カウンターを浴びて失点。直後にFW大槻周平を投入するなど最後まで反撃を試みるも、ゴールはならず。リーグ戦では3連敗となった。
<試合を終えて>
●5月22日(日)
18日のナビスコ杯・鹿島戦はリーグ戦とは違う戦いとはいえ、チームとして目指すべき方向性を福岡戦の流れを受けてはっきり示すことができ、逆転で勝つことができた。そのことは非常にチームの力になったと感じている。
その後、仙台戦までは中2日。前の試合から1週間の準備期間が取れている仙台さんに対し、鹿島戦の流れを汲みつつ、フレッシュさも考慮しなければならないメンバー繰りに頭を悩ませたが、結果的に両方の良い要素が合わさったメンバーで臨んだ。
仙台さんは伝統的に堅守からのカウンターを得意としているし、外国籍選手のスピードある突破からクロスという形があり、ある意味で鹿島さんと似ているような部分があった。だからこそ鹿島戦の戦いを継続し、再現していくということがこの試合では大事だと考え臨んだ。
ただゲームが始まってみると、言い訳にはできないが、連戦の疲れからかセカンドボールへの反応や動きの連続性という点が特に前半に足らず、自分たちのリズムでプレーできる時間が非常に短かった。ただ、そういった状況下で我慢して戦い、前半を0点で抑えたというのは、後半に巻き返すチャンスをもらえたのだとハーフタイムに感じていた。
いくつかの戦術的な修正の指示を出し、選手を送り出した後半には相手の足が止まり始めたこともあり、決定的なチャンスを何度が作り出すことができた。しかしそこを決めることができず、彼らの一発のカウンターに沈められてしまった。展開としては、福岡戦に似た形での敗戦となってしまった。
やはり結果的にリーグ戦で勝てていない、加えてホームで一度も勝てていないという点で、選手が勝たないといけないという想いをアウェーの時以上に強く感じすぎてしまって、プレーが小さくなったり、萎縮してしまっているのかなと感じた。