畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が英国で過ごした3カ月。
感じた“多様性への理解”の重要さ。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2016/05/21 10:40
ファルコンズは1877年創設の歴史あるクラブ。イングランド最高峰リーグでの経験を積んで帰国した畠山には代表戦が待っている。
若い選手に伝えたい。英語は可能性を拡げてくれる。
遠征先での食事中、同じテーブルに座ったのは、トンガ人、サモア人、ケニア人、スコットランド人、イタリア人、アルゼンチン人、そして日本人の僕。話す内容はラグビーだったり、シーズン後の話だったり、冗談だったり、英語の冗談は僕にはレベルが高すぎて理解できないことも多かったが……。
英語を介して、7カ国出身者が話し合う。これは様々な国が隣接するヨーロッパ、アフリカ、南米、さらには多様な人種が暮らすアメリカでは当たり前の光景なのだろう。
自分の意思を伝える。相手の意思を理解する。日常生活でもラグビーでも、海外でプレーするには英語が必要。これは痛感した。ゴロウ(五郎丸歩)ちゃんも英語で苦労しているニュースを見た。
若い選手に伝えたい。英語は勉強しておいて絶対に損はない。むしろ自分の可能性を確実に拡げてくれる。7カ国の人種が集うという環境は、日本では外資系の会社やインターナショナルスクールなど限られた環境でしか成立しないのではないだろうか?
日本代表も、人種や国籍が違っても同じ仲間。
ファルコンズには多くの異なる国籍の選手がいたが、皆がお互いをリスペクトとし合い共存していた。
ラグビー日本代表も、同じような状況だった。帰化選手や国籍が違う選手が日本代表にいる事を疑問視する声が昔から多かった。
現場の僕らは、そんなことを気にしたことは一切なかった。共に走り、共に笑い、苦汁を舐め、酒を飲み、共に勝利を目指した。人種、国籍、バックボーンは違えど、目指す先は同じ。同じ仲間だった。