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F1界で無冠の帝王vs.無敵王者の戦い。
ロズベルグ最大の敵はチームメイト!?
posted2016/04/24 10:40
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
ロズベルグが中国GPを制したことで、F1関係者の間で、いま2016年のタイトル争いを巡って熱い論争が繰り広げられ始めようとしている。
発端は、ロズベルグが開幕戦オーストラリアGPから3連勝を飾ったことだ。
過去に開幕3連勝を挙げたドライバーは6人で、のべ9ケースある。
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1953年 アルベルト・アスカリ(イタリア/フェラーリ)
1954年 ファン・マヌエル・ファンジオ(アルゼンチン/マセラティ、メルセデス)
1957年 ファン・マヌエル・ファンジオ(アルゼンチン/マセラティ)
1991年 アイルトン・セナ(ブラジル/マクラーレン・ホンダ)
1992年 ナイジェル・マンセル(イギリス/ウイリアムズ・ルノー)
1994年 ミハエル・シューマッハ(ドイツ/ベネトン・フォード)
1996年 デーモン・ヒル(イギリス/ウイリアムズ・ルノー)
2000年 ミハエル・シューマッハ(ドイツ/フェラーリ)
2004年 ミハエル・シューマッハ(ドイツ/フェラーリ)
つまり、「開幕3連勝」という数字だけを見れば、今年ロズベルグが10例目として、チャンピオンに輝く可能性は極めて高い。だが、ロズベルグが悲願を達成するためには、突破しなければならない別なデータも、じつはまだ存在しているのである。
昔は年間10戦以下。今季は年間21戦!!
そのひとつが、開幕3連勝がシーズン全体に占める割合である。
例えば、1950年代のF1は、ヨーロッパのドライバーが参加しなかったアメリカ・インディアナポリスを含めても、年間10戦未満。1991年以降の6ケースもすべて16~18戦と、過去の9例はすべて20戦以下のグランプリだった。
それに比べて、今年のF1は史上最多の21戦。1戦あたりの重みが、当時とは異なるのである。