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外国人監督は日本バレーを変えるか。
初優勝、豊田合成の“コンセプト”。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2016/04/17 10:30

外国人監督は日本バレーを変えるか。初優勝、豊田合成の“コンセプト”。<Number Web> photograph by Kyodo News

クリスティアンソン・アンデッシュ監督は結果よりも過程を大事にする。全ての要求には理由があるのだ。

誰にでも態度を変えない真摯さで、慕われてもいる。

 アンデッシュ監督の英語を理解することからスタートした就任1年目の'13-'14シーズン、選手たちは毎日とにかく怒鳴られ続けた。しかし徐々にコンセプトが浸透していくと、選手は言われるより先に「やば、これ怒られるプレーだ」と察し、詰め寄ろうとするアンデッシュを「わかってる」と制する場面が増えた。そして、選手にとってコンセプトが当たり前になった3年目の今季、チーム初のリーグ制覇にたどり着いた。

 アンデッシュは妥協のない厳しい監督だが、選手たちからは非常に慕われている。それは、選手によって態度を変えないからだ。ベテランであろうと若手であろうと、日本人でも外国人でも、できていなければ怒り、いいプレーが出たら誉める。「だからわかりやすい」と選手たちは言う。

ベテランエース「彼はパーフェクトな監督」

 今季は、オポジット(スーパーエース)のイゴール・オムルチェンがディグ(スパイクレシーブ)を上げる場面が目立ち、時にはボールを追ってフェンスに激突することもあった。それは以前にはあまり見られなかった姿だが、日々アンデッシュが要求し続けた成果だ。イゴールは苦笑いしながら言った。

「私はあまりディフェンスが得意じゃないし、これまでずっとやってこなかったけど、アンデッシュ監督には求められるので。監督は私を変えようとしてくれている。彼は、今までやってきたポジション以上のプラスアルファを求めてくる」

 クロアチア代表やイタリア・セリエAなど、多くの監督のもと輝かしい実績を残してきた35歳のベテランは、アンデッシュという監督をこう評した。

「彼はパーフェクトな監督ではないでしょうか。特に若い選手にとっては。中には戦略や作戦を立てるだけの監督もいますが、アンデッシュ監督はそれだけでなく、毎日、技術的な指導も行う。毎日新しいことや、うまくなるための何かを指導してくれる存在というのは非常に大事です」

 アンデッシュ監督は、コンセプトを徹底することで個々の意識と技術を変え、守備のシステムも綿密に作り上げた。ブロックが締める場所やディグの位置取りを明確にして堅い守備を築き上げ、そうして拾ったボールをイゴールが決めるという勝ちパターンを確立した。

【次ページ】 「日本は世界をリードしていたのにステイしてしまった」

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