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A代表よりU-23の方がハリルの好み?
データで見る「速い攻め」の差とは。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAsami Enomoto
posted2016/04/08 10:30
代表では守備的な役割を大きく担う長谷部誠。彼の前への推進力を生かすシステムは構築できるか。
A代表は世界と戦う上で、戦術の切り替えを。
A代表は、アフガニスタン戦ではボールを奪ってシュートまでに至る平均時間は23.9秒、シリア戦は16.2秒。だが、ゴールに至ってはボールを奪ってから46秒、シリア戦は18秒とU-23代表の5.5秒とかなり開きがある。
時間がかかるのは、A代表の得点パターンがセットプレー絡み、サイドからのクロス、相手に当たったラッキーなゴールなどで、前で奪って素早く攻めるというパターンがほとんどないからだ。だが世界との戦いを見据えるならば、ハリルホジッチ監督の戦術が重みを増す。果たして、これから戦術的な切り替えがうまくできるだろうか。
ボランチのプレーや攻撃の違いをA代表とU-23代表のデータから読み取ってきたが、どちらがハリルホジッチ監督が求めるサッカーを実践しているかといえば、U-23代表であろう。U-23代表は、その戦術でアジア制覇を果たした。もちろん手倉森監督が仙台時代に築き上げた堅守速攻のサッカーがベースになっているのもあるが、現状では攻撃が個人ベースのA代表よりもU-23代表の方がハリルホジッチ監督の戦術が浸透し、チームのスタイルが完成していると言える。
データ提供:データスタジアム(https://www.datastadium.co.jp/)