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大谷翔平の年俸は25~34億?
カーショーとの比較で考える値札。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph bySANKEI SPORTS
posted2016/02/14 10:50
アリゾナキャンプで、大谷翔平は米大リーグ・パドレスのトレバー・ホフマンGM補佐に話しかけられていた。
大谷は松坂やダルよりいい契約ができる。
別表を見ても分かるように、年齢別に対比した大谷とカーショーのマイナー時代の成績はとてもよく似ている。日本の一軍と米国のマイナーの成績を比べるのはとても乱暴なことだが、WHIP(イニング辺りの四球と安打を許す率)や9イニング辺りの奪三振率、被本塁打率や与四球率などの数字は、投手の特徴を表わす数字だ。
米国のスカウトにとって、外国やレベルの違う野球リーグでプレーする選手の力量を計るのには欠かせないものであり、ある意味では、大谷はカーショーに匹敵する素材と見られているのではないかと思う。
仮に大谷が“カーショー級”と評価されなかったとしても、松坂やダルビッシュよりはいい契約が出来ると思う。松坂以降、日本の「エース級投手」がポスティングで移籍する際の相場が生まれ、それはダルビッシュの移籍時にも踏襲されたのだが、田中の時に“逆・価格破壊”が起きて高騰してしまったからだ。
入札額の上限ができたことで、年俸がつりあがる。
2006年の12月、当時26歳の松坂大輔投手には6年総額5,200万ドル(1ドル120円換算で62億4000万円。以下同様)、2012年1月、当時25歳のダルビッシュ有投手には6年総額5600万ドル(67億2000万円)とほぼ横這い状態だったのが、2014年の1月、当時25歳の田中将大投手の移籍時には、日本人過去最高の7年総額1億5500万ドル(180億6000万円)もの値段が付いた。一般的に、それは球団に払う入札額に上限が出来たからだと言われている。
松坂とダルビッシュの時代は入札額に上限がなく、レッドソックスは松坂に約5111万ドル(約61億3320万円)、レンジャーズはダルビッシュに約5170万ドル(約62億400万円)も投資している。その代わりに彼らは独占交渉権を得たわけだが、新制度下で落札したヤンキースは、上限の2000万ドル(24億円)で、半分以下である。ただし、彼らは同じ2000万ドルで入札した他球団との“半・自由競争”に勝たなければならなかった(公表はされていない)。そうなれば選手の年俸がつり上がるのも自然なことだ。