サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
U-23がイラクに勝つための3大要素。
開始10分、ロングボール、サイド。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/01/26 10:40
イラクの強さは「個」に拠る部分が大きい。まずは局面の勝負で体を張って一歩も引かないことが重要だ。
遠藤航「日本らしい戦い方で勝つ」
3つ目は、サイドの攻防だ。イラクは両サイドが非常に強いが、逆に言えばサイドをうまく封じ込めればイラクは攻め手をなくし、日本の勝機はより高くなる。UAEはイラクのサイドにボールが入る球際に厳しく行き、自由にさせなかった。するとイラクは徐々にサイドへの展開が減ってロングボールが増え、UAEは10番のムバラクを中心に中盤を支配していった。日本とイラク、どちらがサイドを制するか。「サイドの攻防」も勝敗を決める上で極めて重要なポイントになるだろう。
「過去に負けているけど、相手はもう違うチームになっているし、自分たちも予選を勝ち抜いて違うチームになっている。現状での力の戦いになると思うんで、そういう意味では負けていないと思う。ここまで勝ってきた日本らしい戦い方で勝てればと思います」
遠藤航は、自信に満ちた表情でそう言った。その言葉通り、重要なのは今のチーム力だ。仁川のアジア大会ではグループリーグで対戦し、1-3で敗れているが、その試合のイラク代表はA代表の選手が多く、今回の対戦ではほとんど参考にはならない。しかも、その時、2得点を決めた右サイドバックのアリ・アドナンは今回不在だ。さらに今チームの主力MFサイフがチームから追放された。チーム内に動揺があるのはまず間違いないだろう。
日本は、グループリーグでの戦いのように先制できれば一気に勝率が高まるが、そんなに簡単にはいかないだろう。
イラン戦のように我慢して失点をせず、相手の運動量が落ちた時に一気に勝負を決める。日本には主導権を握って相手を圧倒する強さはないが、相手を消耗させて自分の土俵に持ち込んで止めを刺すしたたかさがある。ある意味、「弱者の兵法」ではあるが、それに徹して貫くことができれば確実にリオへの道が開けるはずだ。