ゴルフPRESSBACK NUMBER
日本人が海外で活躍するための条件は?
横峯さくら、米ツアー1年目を考える。
posted2015/11/26 10:50
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
先週の最終戦をもって、2015年度の米国女子ゴルフツアーが終了した。
米ツアーに今季から本格参戦した横峯さくらは、賞金ランク44位となり、来季のシード権を獲得。プロ入りから12年目。慣れ親しんだ日本ツアーを離れ、全く新しい環境の中で結果を出したのは見事としか言いようがない。
その一方で「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」という新人選手のみの賞金ランキングで、横峯は“7位”となっている。
この“7位”という順位は、ちょっと、いや、かなり厳しい意味を持つ。
これは初めての米ツアーという同条件で1年間戦い抜いた結果、同じルーキー選手であるアメリカの現役女子大生アリソン・リー(5位/20歳)や韓国の若手であるキム・セヨン(1位/22歳)らに、日本で通算23勝している29歳のスター選手が屈したことを意味するからである。
3年前から米ツアーに参戦している有村智恵、上原彩子の両選手は、シード権争いですら苦戦を強いられており、横峯の成績は “日本ツアー出身の選手が米ツアーで苦戦すること”を改めて証明してしまったことになるのだ。
メジャー大会だけなら日本人も好成績だが……。
しかし米ツアーと比べて日本ツアーの選手のレベルが低いと結論づけるのは、ちょっと短絡的でもある。
現に「全英リコー女子オープン」や「全米女子オープン」というメジャー大会で、近年、日本ツアーの選手はほぼ毎年トップ10入りし、今年の「全米女子オープン」では大山志保が優勝争いにまで絡んでいる。短期決戦とも言えるメジャー大会などに限れば、外国人選手たちとも堂々とわたりあっているとも言えるのである。
では、米ツアーで年間を通して結果を出すには、何が必要なのだろうか?
「米ツアーの方が易しい」
これは、2013年に韓国ツアーで最優秀選手賞と賞金女王をW受賞し、今年の米ツアーで新人選手ランキング4位となったジャン・ハナの言葉だ。