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日本人が海外で活躍するための条件は?
横峯さくら、米ツアー1年目を考える。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2015/11/26 10:50
今季は米ツアー26試合に出場した横峯。そのうち予選落ち6回、トップ10以内が2度あり、賞金総額は38万2891ドル(約4700万円)となった。
韓国でプレーすると世界で戦えるようになる!?
韓国ツアーのコースはフェアウェイが狭くドッグレッグが多い。パー5でも、イーグルやバーディーが狙えるとは限らないのだという。アメリカのフラットで広いフェアウェイでは、むしろプレッシャーを感じることなくプレーできるということらしい。
一方で、日本ツアーの選手は「(アメリカは)難しい」と言う。
米ツアーの様々なゴルフ場に順応して戦うためには、国内で培った技術以上の“より多彩な技”、“より正確なショット”が求められるからだ。
イ・ボミ、朴仁妃、申ジエをはじめ、日米ツアーでは今、韓国勢が席巻している。
つまり韓国ツアーで活躍できれば、どのツアーにも順応できる可能性が高い。
それらを踏まえると、今年から韓国の国内ツアーの門戸が外国人に開かれたことは、日本人選手にとって朗報だ。韓国ツアーの予選会に外国人も参加できるようになったのだ。アメリカより断然近い隣国でより高い技術を学べる機会があるなら、日本人選手にどんどん挑戦してほしいと願う。
S・ルイスのビジネスが、良い見本になるのでは?
日本人選手に海外挑戦を勧めることそのものは簡単だが、挑戦先が米ツアーだと、とにかく“遠征費”がかかることになる。高卒や大卒の若者が自身で費用を捻出することは、まず現実的ではないだろう。たとえスポンサーと契約していても、活躍できなければ日本国内のメディアへの露出が減り、スポンサーが降りてしまう可能性もある。
それでは、戦う舞台を海外へ移す際、スポンサーとなる日本企業がサポートしやすいように、選手に投資する価値を選手サイドが提案していく、というのはどうだろうか。
米国に進出している日本企業は少なくない。例えば、試合のない時にスポンサーの会社とその顧客を対象にしたゴルフクリニックやゴルフコンペを米国内で開催する。“プロゴルファーからレッスン指導を受けつつ、企業と顧客がいつもよりカジュアルにコミュニケーションできる場”ができれば、スポンサー企業にとっても十分にプラスだろう。
実際に、アメリカのトップ選手であるステイシー・ルイスのエージェントは「具体的な経済効果は企業秘密のため教えることはできないけど、ゴルフクリニックはスポンサーの予想をはるかに上回る成功をおさめている」という。