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誇るべき五輪ドーピング違反者ゼロ。
ロシアの騒動が日本に及ぼす影響は? 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2015/11/23 10:40

誇るべき五輪ドーピング違反者ゼロ。ロシアの騒動が日本に及ぼす影響は?<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

11月9日、ジュネーブでの会見に臨む世界反ドーピング機関元会長・第三者委員責任者のディック・パウンド氏(左)。

今回の問題が日本へ及ぼす影響。

 みんなに迷惑、と語った選手の真意を補足すれば、日本では適用されがちな連帯責任により、所属するチームなり団体全体に責任が及ぶことへの心配が先に立つということだ。

 結果として、これまでオリンピックでメダル剥奪などの処分者がいないのは誇るべきことだ。

 それでもドーピングがロシアの今回の問題をはじめ、途切れることなく発覚し、そのたびに国際大会での順位が変わり、記録も取り消しになることが珍しくない現状は、日本にも影響をおよぼす。スポーツそのものの信用であったり価値が低下すれば、それは日本のスポーツ界に波及する面があるのは否めないからだ。

 ロシア以外にも、ドーピングが組織的に行なわれていると指摘される国々がある。陸上以外にも疑惑の目は向けられているが、まずはロシアの陸上界に対して、IAAFがどこまで毅然と対応していけるかがポイントとなる。それすらできなければ、ここまで根深いドーピング問題の解決への道筋は描けない。もちろん、毅然と対応すればただちに解決へつながるとは言い切れないほど、深刻化した問題だが……。

 少なくとも、日本がドーピングと縁が薄いことを示し続けることは、日本のスポーツ界の価値を高めこそすれ、マイナスに働くことは一切ない。ドーピング問題への「モデル」として今後もあり続けることは、ドーピングへの批判でもある。

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