Jをめぐる冒険BACK NUMBER
Jでついに芽を出し始めたU-22世代。
前田、浅野、喜田に続くのは誰か。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2015/07/07 10:50
J2からJ1への「ステップアップ移籍」を果たした前田直輝。山雅でも出場機会をがっちり確保しており、ドリブルから決定力まで兼ね備え、フィニッシャーとしての期待も大きい。
前田「弱点を克服するために移籍しました」
所属クラブで出場機会をもぎ取った者、出番を求めて移籍した者、カテゴリーを変えてチャレンジした者……。そのバックボーンはさまざまだが、その成長は、ほかでもない抜擢した張本人、手倉森誠監督が認めている。
「ポジションを取って出続けている選手たちの成長に驚いている」
試合後の彼らのコメントに耳を傾けてみると、自身の成長をはっきりと感じ取っていることが、手に取るように伝わってくる。
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「弱い自分が嫌で、弱点を克服するために移籍しました。自分の意識が高ければヴェルディでも変れたんでしょうけど、山雅で練習から100パーセントやるように変わったし、守備やハードワークを学ぶことができた」(前田)
「J1で毎週のように良いチーム、良い選手と戦うことができて、毎試合、手応えと課題が出てくるので得るものは多いです。マリノスは伝統あるチームですし、レギュラー争いは激しいですけど、その中で出られているのは、本当に自信になっています」(喜田)
「この世界、試合に出ないと意味がないと思いますし、オリンピックのことを考えたら試合勘だったり、出場機会が必要になってくると思って移籍しました。その意味では福岡で出られているから、今の自分があるとすごく思います」(亀川)
亀川はケガによる辞退だったが、彼ら3人はいずれも今年3月のアジア1次予選に参加しておらず、所属クラブでの成長が認められ、今回のU-22コスタリカ代表戦に招集されたメンバーだ。
最終予選まで6カ月でも、まだまだ競争が必要。
実は、U-22コスタリカ代表戦に選ばれた24人のうち、アジア1次予選に出場した選手はわずか13人しかいない。アジア最終予選まであと6カ月。メンバーを固めてもおかしくない時期に半数近くを入れ替えたのは、所属クラブでの成長を重視したうえで、競争原理を持ち込みたいという指揮官の狙いがあった。
「最終予選までまだまだ競争が続くんだということを示したかった。メンバーを固めてしまうとほかの選手たちが伸びなくなるし、所属クラブで試合に出て成長している選手に、チャンスを与えたいと思っている」