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浦和レッズ 阿部勇樹×関根貴大
無敗ステージ優勝の快挙に思うこと。

posted2015/07/09 16:45

 
浦和レッズ 阿部勇樹×関根貴大無敗ステージ優勝の快挙に思うこと。<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

ドリブルでスタジアムを沸かせる関根貴大(左)はプロ2年目の20歳、次世代のエース候補だ。阿部勇樹(右)は浦和で2007年にACL優勝も経験し、イングランドのレスターから復帰して以降は主将を務める。

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Tadashi Shirasawa

 1000万円以上するというティファニー製のステージ優勝トロフィーを挟んで、穏やかに撮影が行なわれている。

「それじゃ、2人でニヤッと笑ってみますか……」

 カメラマンのリクエストを受けると、阿部勇樹はトロフィーを持って両手がふさがった後輩のわき腹をツンツン。変顔でも笑わせにいく。関根貴大は堪らず、のけぞって爆笑。33歳の大黒柱と20歳の新星が見せた微笑ましい光景に、その場の空気が一気に和んだ。

 2015年6月23日、浦和レッズが第1ステージ優勝を決めたヴィッセル神戸戦の3日後。大原サッカー場には300人近い人々が詰め掛けていた。9年ぶりにリーグタイトルを手に入れた浦和レッズが、優勝後初めてファンサービスを行なったのだ。炎天下でサインや写真を求めるサポーターは、夏の太陽にも負けないほどの熱気を放っていた。

 しかし、外の喧騒に反してタイトル獲得の当事者である2人は落ち着いている。謙虚で、浮つかず、ユーモアはあるが口数は多くない……。そんな似た雰囲気を醸す阿部と関根の第1ステージ優勝記念インタビューは、淡々と進んでいった。

「浦和レッズというのは、そういうチーム」

――あれだけの方々の期待を背負ってプレーするのは、簡単じゃないですね。

 そんな最初の問いかけを、キャプテンの阿部は平然と受け止めた。

「だけど、まあ、もっとたくさんいますからね。はい」

 埼玉スタジアムの熱気のなか、言い換えれば、とてつもないプレッシャーのなかでプレーを続けてきた阿部の言葉には、浦和レッズでプレーすることの宿命と責任が滲み出ていた。

 史上初の快挙である無敗でのステージ制覇に対しても、特別な感情はなかった。

「もちろん、無敗が長く続けばいいと思います。だけど、ずっと戦ってきたなかで、正直簡単な試合はありませんでした。今後は、相手チームも土をつけようとモチベーションを高めてくると思うので、さらに努力していかないといけません。浦和レッズというのは、そういうチームだと思いますから」

【次ページ】 アカデミー出身者としての自覚。

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