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南野拓実がオーストリアで二冠獲得!
「強者の戦い」を学び、視線は上へ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2015/06/05 10:40
今季は14試合に出場して3ゴール3アシスト、ELも経験することができた南野拓実。「早く次のステップへ」とビッグクラブへの野心を隠さない男は一足飛びに成長している。
ザルツブルクで学ぶ「強者の戦い方」。
そうしたプレーにもこだわるのは、監督の求めることばかりを考える、ロボットのような選手になりたいからではない。南野は、自分自身の明確な意図と目標を持って取り組んでいる。
「戦術的に考えても、ザルツブルクで守備を含めてしっかりできれば、どこに行ってもある程度は出来るようになると思うので。そのうえで、もっと自分の良いところを出して行かないといけないですね」
オーストリアリーグで10年間3位以下になったことがないザルツブルクの戦い方は、強者の戦い方だ。ビッグクラブで活躍する未来を描くのであれば、いま取り組んでいることが大きな意味を持ってくるのは間違いない。
「ドリブルで仕掛けられる」という信頼が必要。
その一方で、もちろん課題はある。
例えば、チームメイトのソリアーノが延長前半に決めた決勝ゴールだ。相手のトラップミスを見逃さずに厳しくプレッシャーをかけてボールを奪ったあと、一気にドリブルでディフェンダーをかわしてシュートに持っていった。2012年にバルセロナBからやってきたチームのエースは、監督から求められる激しい守備と、独力でしかけてシュートまで持っていく突破力を兼ね備えている。
南野はこう話す。
「別に、自分がドリブルをできひんとも思っていないです。前を向いて仕掛ければ、もっと良さを出せるとも思っています」
その言葉には誇張はない。
実際、初ゴールを決めたアドミラ・バッカー戦でも、そうしたプレーは見せている。だから、こんな風に南野は考えている。
「そういう場面をもっと増やしていく必要があると思っています」
そのためにはパスを呼び込んでいく必要があるし、独力で突破できるということをチームメイトや監督の頭のなかに刻み込んでいかないといけない。そうなれば、数的に不利な状況になったとしても、チームのためにピッチに立ち続けられる選手として見られることになるだろう。