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「湘南はJ1に残れればいいチーム」
浦和の指揮官に、敵は見えているか。 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2015/03/11 10:40

「湘南はJ1に残れればいいチーム」浦和の指揮官に、敵は見えているか。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

浦和史上初となる連続での4シーズン目となったミハイロ・ペトロヴィッチ監督。昨シーズン終盤にも会見で苛立ちを見せることがあった。

「前半から来るのは想定内。90分は続かない」

 槙野や森脇が持ち上がるシーンが少しずつ増え、反対に、湘南の選手をピッチにはわせる場面も見られた。球際での争いに勝ったり、バイタルエリアでワンタッチのパスをつないで攻め込んだりするシーンが増えはじめるのだ。

 湘南の激しいプレスと闘志が、浦和の球離れを加速させ、闘争心に火をつけた――。記者席からは、そんな風に見えた。

 41分、FKから興梠慎三のゴールで同点に追いつくと、風上に立った後半、浦和の圧力はさらに顕著になった。

「湘南が前半から勢いよく来るのは想定内でした。でも、その勢いを90分続けるのは難しいんじゃないかと。焦れずに我慢強く戦えば、湘南のペースは落ちると思っていたので」

 そう振り返ったのは、森脇良太だ。湘南のプレスの勢いが落ち、ミスが増えてきたところを狙ってカウンターを繰り出すと、湘南のゴール前では石原直樹のポストプレーを生かしながら、押し込んでいく。

後半の運動量の低下、原因は?

 75分に宇賀神友弥がミドルシュートを突き刺して逆転すると、2分後には青木拓矢のクロスに那須大亮が頭で合わせ、試合を決めた。

「やっぱり浦和は落ち着いているな、と感じました。今日は雨も降って、やりにくかったところもありましたけど、そこでミスしなかったり、チームとして完成しているな、と」

 ボールのあるところには必ず彼の姿がある、というぐらいのハードワークを見せた永木は、無念さを押し殺すようにして振り返った。

「後半に入って、セカンドボールへの反応が遅れるようになって、プレッシングもちょっと甘くなって、自由に持たせる時間が増えてしまった。浦和はうまく拾って、リズムを作っていた」

 浦和に付け入る隙を与えてしまった後半の運動量の低下――。問題はペース配分でも、スタミナ不足でもなく、奪ったあとのつなぎの質だろう。

【次ページ】 奪った後にマイボールを確定させることが大事。

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