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清武、今野投入の采配が空気を一変。
アギーレジャパンは“雑音”に動じず。

posted2015/01/17 10:50

 
清武、今野投入の采配が空気を一変。アギーレジャパンは“雑音”に動じず。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

前半チームの攻撃を牽引した乾貴士に代わってピッチに立った清武弘嗣。乾とはまた異なる持ち味を発揮して攻守に活躍した。アギーレジャパンは、また1つ戦略の引出を手に入れたと言える。

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Takuya Sugiyama

 気温27度、湿度75%。

 風通しの悪いブリスベンスタジアムのうだるような蒸し暑さは、試合が終わるまでずっと続いた。とはいえ、途中で足を止めたイラクに対し、日本の足が止まることは最後までなかった。

 結果は1-0と最少点差ながら、両チームには明らかな「差」があった。たとえ試合時間が長引いたとしても、追いつかれることはなさそうに思えた。逆に追加点を挙げることはあっても、だ。

 試合後、前日に岡崎慎司が語っていたイラク戦のテーマの一つを、ふと思い出した。

「90分間、気の抜けない戦い。日本はそこが課題だと思う」

 力の差、勢いの差、そして集中力、注意力の差を見せること。

森重「90分通して声を出すこと」

 この暑さゆえ、100%の集中力を持続させることは容易ではない。後半の立ち上がりに押し込まれた時間帯もあったし、ミスからカウンターを受けた場面もあった。攻撃では決定機をものにできない場面を繰り返した。しかし彼らはバランスを崩されることも、自らバランスを崩すこともなかった。

 体を張って2試合連続の無失点勝利に貢献した森重真人は言った。

「暑さは相手も同じだったんで、最後まで戦うというのが重要でした。90分通して声を出すことが、きょうの試合では凄く大事だったかなと思う。最後までみんな、声を出しながらやれた」

 イラクに対してずっと睨みを利かしていた90分――。

 課題はあろうとも、気の抜けない戦いというテーマを彼らはクリアしてみせたのではあるまいか。

 いい攻撃は、いい守備から始まる。

 スタートからその意識が高かった。4-3-3のシステムが守備時には4-1-4-1となり、ブロックをつくってイラクの攻撃を網にかける。ボールを失った時も攻から守への切り替えが早く、スペースを消してボールを回収した。

【次ページ】 背番号10の躍動が、チームを先導していた。

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