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外野手の地位向上はイチローの影響?
'80年代と現在で全く違う指名順位。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNaoya Sanuki

posted2015/01/16 10:30

外野手の地位向上はイチローの影響?'80年代と現在で全く違う指名順位。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

“ライパチ”に代表される外野手のイメージを、1994年以降のイチローが鮮やかに刷新した。昨年のドラフトで指名された外野手と、1980年代に成功した純粋な外野手は同数である。

狭い球場も、外野の守備負担を軽くしていた。

 外野手に本格的な守備力が求められるようになったのは、イチローの出現からだろう。210安打を放ってブレークした'94年、12球団の本拠地球場の半分は驚くほど狭かった(以下、球場の広さは公称されているもの)。

●ヤクルト=神宮球場(両翼91m、中堅120m)
'08年以降、両翼97.5m、中堅120mに拡張

●中日=ナゴヤ球場(両翼91.4m、中堅118.9m)
'97年以降、両翼100m、中堅122mのナゴヤドームに移転

●巨人=東京ドーム(両翼100m、中堅122m)
'87年まで両翼90m、中堅120mの後楽園球場が本拠地

●阪神=甲子園球場(両翼95m、中堅118m)
'91年まではラッキーゾーンが設置され、両翼91m、中堅118.1m

●横浜=横浜スタジアム(両翼94m、中堅118m)
'77年までは両翼89m、中堅118mの川崎球場が本拠地

●広島=広島市民球場(両翼91.4m、中堅115.8m)
'09年以降、右翼100m、左翼101m、中堅122mのマツダスタジアムに移転

●西武=西武ライオンズ球場(両翼95m、中堅120m)
'99年にドーム化して両翼100m、中堅122mに拡張

●日本ハム=東京ドーム(両翼100m、中堅122m)
'04年に両翼100m、中堅122mの札幌ドームに移転

●オリックス=グリーンスタジアム神戸(両翼99.1m、中堅122m)
'90年までは両翼91.4m、中堅118.9mの西宮球場が本拠地

●近鉄=藤井寺球場(両翼91m、中堅120m)
'04年限りで球団消滅、05年に楽天誕生。
楽天の本拠地・Koboスタジアム宮城は両翼100.1m、中堅122m

●ロッテ=千葉マリンスタジアム(両翼99.5m、中堅122m)
'91年までは両翼89m、中堅118mの川崎球場が本拠地

●ダイエー=福岡ドーム(両翼100 m、中堅122m)
'92年までは両翼92m、中堅122mの平和台球場が本拠地

 比較的広いのは東京ドーム、グリーンスタジアム神戸、西武ライオンズ球場、千葉マリンスタジアム、福岡ドームの5球場で、これを6球団が使い、あとの半分は両翼91m、中堅120mくらいの狭い球場を本拠地としていた。徐々に広い球場が生まれ、外野手に脚力と肩の強さが求められるようになっていた。

 そういうときに天才イチローが出現し、各球団は「外野手は打つだけでいい」という安直な考えから脱却するようになっていく。

【次ページ】 イチローのブレーク以降、外野手の上位指名が増えた。

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