日本アイスホッケーを“背負った”男。
福藤豊が32歳にして海を渡る「遠謀」。 

福藤はまさにアイスホッケー界のカズ、中田。

　海外移籍という福藤の行動が、今の日本のアイスホッケー界にどのようなインパクトを与えるのかは、現段階ではまだ見えてこない。

　そして彼が現役の間に、日本が五輪出場を実現するのは相当至難の業だろう。だが彼の目指している方向が間違っていないことだけは断言できる。

　今や、若手有望選手の欧州リーグ移籍が日常化したサッカー界では、代表チームも大半以上を海外組が占める時代になった。ひとつひとつ課題をクリアしていきながら、国としてレベルを着実に上げてきている。それを考えれば、福藤はまさにアイスホッケー界の三浦知良選手、もしくは中田英寿選手ではないだろうか。

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「単にアイスホッケーに留まらず、海外リーグでやる中でその経験や出会いは日本で生活するより身になると思うんですよね。もし自分がこのままアイスホッケー界に関われるなら、自分が築き上げたコネクションも利用できるようになってくると思うし、どんどん選手を海外に送り出す環境をつくっていきたいですね」

　福藤のアイスホッケー愛がいつか実を結ぶ日が来ることを祈るばかりだ。