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ドイツ代表が10年続けた“肉体改革”。
「体幹」を超えた「ムーブメント」とは? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2014/10/29 10:30

ドイツ代表が10年続けた“肉体改革”。「体幹」を超えた「ムーブメント」とは?<Number Web> photograph by Getty Images

ウォームアップでは各部位の動作を1つひとつ確認するとともに、複数の動きを連動させるエクササイズを行なっている。このようなハイブリッドな動きを毎日繰り返すことで自然な機能性を高める。

監督が替わるごとに方針が替わる日本代表。

 2006年W杯で3位になったことで、ブンデスリーガのクラブも『アスリーツパフォーマンス』のやり方を一斉に取り入れた。クラブと代表が同じ方針でつながり、よりトレーニングの効果が大きくなった。

「ドイツ代表に選手を呼んだときに埋めなければならないギャップが、どんどん減っていきました。そうすると代表では、それ以上のことに取り組める。スポーツの世界は結果に左右されがちですが、オーガナイズする人間が我慢することが本当に大切だと思います」

 実は咲花は、2010年W杯までの約1年間、日本代表の強化に携わっていた。当時の岡田武史監督が目をつけ、体幹トレーニングを依頼したのだ。そのつながりで現在もJFAアカデミーで定期的に指導している。

 しかし、A代表は監督が替わるごとにフィジカルトレーニングの方針が変わり、ほとんど継続性がない。もし2010年W杯後に『アスリーツパフォーマンス』のやり方を本格導入していれば……。

『アスリーツパフォーマンス』のやり方だけが正解ではないが、下部組織からA代表まで、フィジカルトレーニングに関しても統一したコンセプトがほしいところだ。

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咲花正弥

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