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長谷部「ミーティングは必要ない」。
“結果論”を受け入れる覚悟と共に。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2014/06/24 10:45

長谷部「ミーティングは必要ない」。“結果論”を受け入れる覚悟と共に。<Number Web> photograph by Getty Images

ザッケローニ監督は、キャプテンとして、人間として、そして選手として長谷部誠に全幅の信頼をおいている。コロンビア戦、日本の誇りを見せ付けてほしい。

他力だろうと、勝ち抜くことしか考えていない。

 長谷部の笑いの意味を考えてみる。

 自身を取り囲む記者からのプレッシャーを振り払うためだったのか? それともすべては“結果”という現実を改めて実感したからだろうか? ミーティングについての話でも“結果論”を口にした。

「最終的に結果が出たときには、ミーティングをやったことが良かったと言われるし、結果が出なかったときには……まあ、皆さんがどう思われるか、わかりませんが……」

 もちろん、迷いがないわけではないだろう。しかし、ミーティングを行なわないという決断を、信じきること。長谷部の乾いた笑いからは、今さら迷っている場合ではないという覚悟が伝わってきた。

「最短でこのチームでの活動も残り3日になるが」という問いには「それは考えていない」ときっぱり答えている。

「今はただ勝ち抜くことだけを考えている。もちろん他力な部分はありますけど、次の試合で、勝って次へ行くと。そういう強い気持ちを全員がどれだけ持てるか。それで変わってくる。それは簡単なことじゃないかもしれないが、やっぱり自分たちにはやっていかなくてはならない使命がある。これだけたくさんの人に期待をしてもらっている、日本でも最後まであきらめずに応援してくれる人がいるんだから」

「4年前はキャプテンらしいことをしなくても良かった」

 4年前のW杯直前にキャプテンに指名された長谷部は、現在もチームキャプテンを務めている。しかし、南アフリカでの自分について、長谷部はこう振り返る。

「僕はゲームキャプテンでしかなくて、チームには(川口)能活さんや(中澤)佑二さんといったベテランがいて、キャプテンらしいことをしなくても良かった」

 その後、ザッケローニ監督就任後は一転「日本代表のキャプテンというのは、日本サッカー界の顔でもある」と自身の立場を理解し、奮闘した4年間だった。

【次ページ】 4年間でチームは大きく成熟した。

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