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長谷部「ミーティングは必要ない」。
“結果論”を受け入れる覚悟と共に。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2014/06/24 10:45
ザッケローニ監督は、キャプテンとして、人間として、そして選手として長谷部誠に全幅の信頼をおいている。コロンビア戦、日本の誇りを見せ付けてほしい。
急きょオフとなった6月21日、長谷部誠は一人での時間を過ごしたようだ。
「とにかく頭も身体もフレッシュにするために、とにかくリラックスして1日を過ごしました。どうしてもサッカーのことを考えてしまうけれど、できるだけ考えないように、本を読んだり、お風呂に入ったりしました」
じっくりと自身のことだけを見つめる時間になったのかもしれない。
「大会が始まる前にミーティングをやり、『これからいろいろあると思う、うまく行くこともあれば、うまく行かないこともあるかもしれないけど、一番大事なのは、どういう状況になっても、お互いが自分たちを信じ合い、選手同士だけでなく監督、コーチ、スタッフ全員が信頼しあってやっていこう』と話した。
だから、改めて何かする必要はないと思っています。選手ミーティングをやるか、やらないかというのは、チームの雰囲気を感じて判断しています。やったことで良かったとなる場合もあれば、やったことが凶と出る場合もあるので」
自然に選手たちが思いを口にした6月11日。
コロンビア戦を前にした6月22日の取材で、長谷部はそう話した。ここに至るまでの間、長谷部は何度も選手だけのミーティング実施について問われた。
アメリカ合宿に入った直後にミーティングを実施したのち、ブラジル入り後の6月11日の取材対応で、長谷部は「ミーティングの必要性は感じない」と話した。しかし、実はその夜の夕食後、選手個々が自身の想いを口にする時間が作られた。
「誰かがやろうと言い出したわけじゃなくて、なんとなく、そういう雰囲気になった」と岡崎慎司はその時間について語っているが、それが真実かどうかはわからないし、誰が発起人かはそれほど重要ではないだろう。選手たちが必要だと感じたから、決意表明の場が生まれた。それだけで十分だ。