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「ブラジルで被害に遭わないために」
代表番記者が指南する現地観戦術。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2014/06/19 10:50

「ブラジルで被害に遭わないために」代表番記者が指南する現地観戦術。<Number Web> photograph by Getty Images

コートジボワール戦の行なわれたレシフェの会場には多くの日本人が詰めかけた。試合後に複数の日本人が強盗やひったくりの被害に遭ったことが報道されている。

スマホ、時計、靴など、高価なものは露出しない!

 レシフェは町自体が小さいこともあり、移動はタクシーが中心。それも必ず信頼を置けるホテルから呼び、歩ける距離でも極力タクシーを使うようにした。レストランもホテルから距離の近いところを選び、タクシー移動にした。

 大都市サンパウロやリオデジャネイロではタクシーばかりとはいかないだろうから、公共の乗り物を使う際は、より注意が必要になってくるだろう。空港やバス乗り場では、置き引きの被害が多いようで、出来ることなら団体行動が望ましいとも言える。

 筆者の最低限のリスクマネジメントとしては万が一、強盗や盗難があった場合を考えて、財布を2つに分け、貴重品はバッグに入れないようにしている。服装はいつも以上にラフな感じにして、高そうなものは身につけない(元々、高価な物品はないけれど)。聞いたところによれば貴金属類だけでなく、お洒落な靴などもターゲットになるというから、全身隈なく気を配らなければならない。

 これから先、レシフェばかりでなく、ギリシャ戦のナタール、コロンビア戦のクイアバも治安が悪い都市だとされている。なるべく隙を見せず、どこが危険なエリアなのかを大使館の情報などで事前にチェックしておくといいだろう。W杯反対のデモも鎮静化しておらず、これまで以上に治安が悪化する可能性だってある。万が一を考えて、大使館や出張駐在官事務所などの連絡先は持っておくことに越したことはない。

海外での取材活動では、通信手段の確保が最重要に。

 サッカー王国ブラジルが危険な国であることは言うまでもない。

 しかしながら、昨年のコンフェデでも感じたことだが、ブラジルの人々は陽気で、親切な人が実に多い。たとえばタクシーに乗って嫌な思いをしたことは現時点で一度もないと言ってよく、どのドライバーさんも懇切丁寧に、目的場所まできちんと送り届けてもらっている。

 海外での取材活動は移動、通信手段が大事。日本代表のベースキャンプ地であるサンパウロ近郊の町イトゥはサンパウロと違って渋滞もなく、移動に関するストレスはない。

 ただ、南アフリカと比べて困っているのは、飛行機の本数の少なさだろうか。試合前後は、ほとんど空いていない区間もある。宿泊施設もクイアバなどはかなり少ない。大会の準備が遅れているのは、何もW杯会場ばかりでなくて、交通事情なども含めて昨年から進んでいるとはとても言い難い。

【次ページ】 auのiPadでテザリングをしてPCを使う。

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