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W杯優勝国は「すでに決まっている」!
“振り子”が予言する欧州の苦難!?
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph byGetty Images
posted2014/06/05 16:30
南アフリカで行なわれた2010年のW杯決勝は、スペイン対オランダという欧州対決。振り子の法則はスペインが優勝を飾った。しかしブラジル大会では振り子の原則が崩れる要素は見当たらないが……。
2010年のスペイン優勝は、法則が崩れる大会だった。
'38年、'58年はいずれも2大会連続の欧州開催である。振り子の法則に従えば、南米開催の順番だ。大人の事情はともかく、システムにひずみが生じたことは間違いない。ワールドカップ史上数少ない「連覇」がこのタイミングで生まれているのも面白い。ルール(法則)に変更がなければ、連覇は不可能という話でもある。前回コラムで先送りにした「'10年のスペイン優勝」のナゾも、これで解決でしょう。
なぜ、現役のEURO王者という禁断の果実を口にしたスペインが大会を制したのか――。つまり南米開催の順番であった前回の南アフリカ大会とは、実は2大会連続での欧州開催という「ひずみ」を隠すカモフラージュですね。タブーの発動条件が整う千載一遇のチャンスを、スペインがモノにしたわけだ。
じゃあ、ブラジル大会はどうなのか? 再びEURO王者として臨むスペインに、果たしてワールドカップ連覇の資格はあるのかどうか?
あちらの「欧州」に行ったきりの振り子が、再び南米の地に帰って来たのである。大陸のシンクロが発動する今大会、第4の法則はスペインにこう告げている。アディオス、アミーゴ! いやスペインどころではない。前回(第3話)までに残っていた15カ国のほとんどが、ことごとく消えてしまうことになる。その顔ぶれを、ここでもう一度、おさらいしておこう。
【法則1 バロンドールの呪い】 → 1カ国
ポルトガル(C・ロナウド)
【法則2 外国人監督の悪夢】 → 14カ国
カメルーン、チリ、コロンビア、ギリシャ、コートジボワール、日本、コスタリカ、スイス、エクアドル、ホンジュラス、イラン、アメリカ、アルジェリア、ロシア
【法則3 現役大陸王者のタブー】 → 2カ国
スペイン(EURO王者)、ウルグアイ(コパ・アメリカ王者)
【法則4 大陸のシンクロ】 → 13カ国
クロアチア、オランダ、イングランド、イタリア、フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ、ベルギー、メキシコ、ナイジェリア、ガーナ、オーストラリア、韓国
優勝国の一角を担いそうなドイツやイタリアも、ダークホースの呼び声高いベルギーも、みんなまとめて「アウト!」である。何だか凄いことになってきたが……。そういうわけで、残るはたったの2カ国。南米を代表する二体の巨人、ブラジルとアルゼンチンだ。
よくぞまあ、ここまで生き残りましたな。さて、問題はここからである。二択の結論は――なんて、ぐずぐずしていると、開幕しちゃうじゃん!
ラスト2話、大急ぎで仕上げます、しばしお待ちを。