リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
デルボスケ、“賭け”にでた23人。
スペイン代表メンバー、3つの論点。
posted2014/06/04 10:40
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
5月31日、スペイン代表のビセンテ・デルボスケ監督がワールドカップに挑む23人を発表した。穏健派らしい人選であり、スペインではファンもメディアも概ね納得している。
そのリストを見て、まず気付くのは顔ぶれにほとんど変化がないことだ。
23人中、2年前のユーロに参加した者は18人。4年前の南アフリカ大会を経験した者は16人。さらに12人はデルボスケが監督に就任する前の'08年のユーロにも出ている。
最もタイトルを獲得しているチームに大きく手を加えるのは良策とは言いがたいので、デルボスケの判断は理にかなっているといえるだろう。また彼は'13年3月、欧州予選フィンランド戦とフランス戦を前に、「(代表のメンバーを)入れ替えていかねばならないならば“徐々”にしたい。穏やかな交替にしたい」と語っているため、予見できたことでもある。
2つ目は選手のタイプの画一性だ。ヘスス・ナバスとフェルナンド・ジョレンテ、アルバロ・ネグレドが外され、デルボスケ期の特色であるウイング、そして空中戦に強いフォワードが姿を消した。
ジョレンテとネグレドに関しては戦術を考慮したデルボスケの判断だが、ナバスは足首の故障が問題となった。本人は「回復した」と言うが、監督は「試合から2カ月間離れていた」点を重視し、「(ケガの)再発の恐れがある選手より完調状態にある選手」に枠を与えたという。
バルサの7人に次ぐ勢力はアトレティコに。
そして3つ目は選手の所属クラブで、これも変化があった。“最大派閥”はジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケッツ、アンドレス・イニエスタ、シャビ、ペドロ・ロドリゲス、セスク・ファブレガスの7人を送り込むバルサのままだが、次点はなんとアトレティコ。フアンフランとコケ、ダビド・ビジャ、ジエゴ・コスタが選ばれた。
ちなみにアトレティコの選手が4人同時に代表入りしたのは'96年以来のことであり、その年もリーガはアトレティコが制している。