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岡崎&前田の好連係と守備の不安。
快勝の先に待つ“鬼門”の準々決勝。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/01/18 12:25

岡崎&前田の好連係と守備の不安。快勝の先に待つ“鬼門”の準々決勝。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 17分の7、13分の5、13分の9。

 これは日本のシュート数全体における枠内シュート数の割合である。前から順番に初戦のヨルダン戦(1-1)、シリア戦(2-1)、そして今回のサウジアラビア戦(5-0)だ。決勝トーナメント進出を懸けたサウジ戦では、シュート数こそ増えていないが枠内シュート数は最も多く、大量得点を奪って圧勝した形となった。

 上機嫌のザッケローニは試合後の会見で、誇らしげにこう言った。

「1戦目よりも2戦目、2戦目よりも3戦目と、段々と選手たちは成長してくれている。試合開始直後から非常に良いプレーをしてくれて、先制点を獲った後も気を緩めることなく試合を決定づけてくれた。試合を決めるんだという意識を持ってプレーを続けたことが、サウジアラビアの一縷の望みも断ち切ったという印象を持っている」

岡崎の先発により、裏を使う意識がチームで共有できた。

「13分の9」からの5ゴール。

 もちろんシュートの精度、集中力も関係する問題だが、この数字は日本がいかに質の高い決定的なシーンを数多くつくったかという事実を証明している。その良質な攻撃を生み出すことに一役買ったのが、ケガで離脱した松井大輔に代わって右サイドで今大会初先発した岡崎慎司に他ならない。

 岡崎のストロングポイントは、言うまでもなく裏への飛び出し。試合が始まってすぐに裏を狙う駆け引きを見せたことが、チーム全体のギアを入れることになる。

 何となく様子見のように試合に入ってきたここ2試合とは明らかに違った。

 岡崎の動きに合わせてサイドの裏のスペースを使う意識が、チーム全体で試合のスタートから共有されていた。

 岡崎は前半8分に遠藤保仁の縦パス1本に抜け出して先制点を奪うと、その5分後には香川真司のクロスに合わせてゴール前に飛び出して頭で2点目をマーク。序盤の先制パンチが、サウジのモチベーションを完全に吸い取った。

【次ページ】 活かし、活かされる岡崎と前田から生まれた全5ゴール。

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