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ドイツは「紙の上のトップチーム」?
W杯の本命が陥った不振と“慢心”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2014/03/13 16:30
チリとの親善試合で、勝利こそしたものの「らしさ」を発揮できなかったドイツ。ワールドカップの大本命は、あと3カ月で調子を取り戻せるのだろうか。
レーブ監督「あまりにボールを失っていた」。
後半のドイツのチャンスは、カウンターからシュバインシュタイガーが放ったシュートくらいだが、これも相手ディフェンスにブロックされている。
結局、試合が終わってみれば決定機の数はドイツの3回に対して、チリが7回。CKの数もドイツは5本のみで、チリの13本を大きく下回ることになった。
「我々は前に運ぼうとしたところであまりに多くボールを失っていたし、相手にスペースを与え過ぎていた。『何人かの選手はコンディションをあげなければいけない』と言うことくらいしかできないだろう」
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試合後にレーブ監督はそう語った。
コンディションの悪さが原因なら、解決はできるはず。
この試合の最大の問題は、選手たちのコンディションの悪さに尽きるだろう。
攻撃ではパスを出した選手が、パスを受けた選手を追い越したり、味方にスペースを作るようなシーンがほとんど見られなかった。そのために、攻撃からはテンポも流動性も失われ、相手に簡単にボールを奪われることになった。
守備に転じても、前線からの守備が機能しないために、相手に思うようにパスをつながれてしまう。また、ボールを持っている選手にプレッシャーをかけられない状態でも、ディフェンスラインを下げるわけではないので、簡単にラインの裏にボールを送られることになった。
ただ、コンディションが最大の問題である点を踏まえれば、そこまで悲観する必要はないように見える。
思い出すのは4年前の同じ時期に行なわれたアルゼンチンとの親善試合だ。
このときもホームで0-1で敗戦。当時も怪我人が続出したため、ミュラーとクロースが初キャップを記録。それまでは右MFでプレーしていたシュバインシュタイガーが、代表では初めてボランチの位置でプレーした。この試合でも見るべきところはないと酷評されたが、本大会ではそのアルゼンチンを準々決勝で4-0と一蹴した。