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コートジボワールと日本の力関係は?
ベルギーを“挟んで”見えてくる真実。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2014/03/10 16:40
後半から投入され反撃の狼煙となる1点目をもぎ取ったディディエ・ドログバ(中央)。その身体能力は日本にとって大きな脅威となるだろう。
ロワ・ボードワンスタジアム(ブリュッセル)で3月5日に行なわれたベルギー対コートジボワール戦は、ベルギーに2点をリードされたコートジボワールが、ロスタイムに交代出場のマックス・グラデルのゴールで同点に追いつき、2-2の引き分けに終わった。
昨年11月にコロンビアと日本にホームで連敗し、モラルの回復が最優先課題であったベルギーには痛い引き分け。
「決定機はわれわれの8回に対して相手は3回。結果はともかく内容には満足している。だが、選手たちは、週末にクラブの大事な試合を控えているにもかかわらず、みな本気で勝ちに行った。ロッカールームで彼らは、本当に悔しそうにしていた」と、ベルギーを率いるマルク・ウィルモッツ監督は、自らは悔しさを押し隠して試合後の会見で淡々と語った。
前半はベルギーが圧倒、試合を決めたかに見えた。
前半は相手を完全に圧倒し、17分にはマルアヌ・フェライニがコーナーキックを直接頭でたたき込んで先制。さらに後半開始早々(51分)には、左サイドを完全に崩しきってラジャ・ナインゴランが2点目をあげて、試合を決めたかに見えた。そうはならなかった理由をウィルモッツはこう説明する。
「後半は予定通りの選手交代をして中盤の戦いで劣勢に立たされた。(終盤の2失点は)たしかに真剣勝負ではあってはならないことだ。どちらも慌ただしいミスが生んだ失点で、気の緩みがあったのは否定できない。しかしこれはあくまで親善試合での出来事だ。ワールドカップ本番なら残りの3分は冷静にボールをスタンドに蹴り込んで……、まあいい教訓になったよ」
たしかにコートジボワールの得点は、いずれもフリーキックの際のクリアミスに付け込んだものだった。とはいえそれは彼らがベルギー守備陣に圧力をかけ続けた結果であり、その意味では実力の片鱗を見せたといえる。だが、総体的なパフォーマンスは決して満足のいくものではなく、彼らの現状と抱える課題が改めて明らかになったのだった。