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コートジボワールと日本の力関係は?
ベルギーを“挟んで”見えてくる真実。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2014/03/10 16:40
後半から投入され反撃の狼煙となる1点目をもぎ取ったディディエ・ドログバ(中央)。その身体能力は日本にとって大きな脅威となるだろう。
本当に日本代表が警戒すべきなのは……。
セットプレーから相手の守備の混乱に乗じて2点を返したのは、コロ・トゥーレも語るように「経験と強いメンタルの賜物」であろう。その点でコートジボワールは、「能力的にはアフリカ随一でありながら、精神的に脆弱なチーム」(エルベ・プノー=レキップ紙記者)と言われた状態から脱しつつあるのかも知れない。それだけの経験を、彼らは個人としてもまたチームとしても、この10年間で十分すぎるほどに積んできた。最後の苦い経験が、アフリカ制覇の最後のチャンスと言われた昨年のアフリカ選手権であるのは気になるところだが。
このコートジボワールであれば、日本は互角以上に戦える。異質なサッカー同士のぶつかり合いは、日本のパス攻撃がコートジボワールのフィジカルを翻弄するだろう。後半に彼らが見せた、スピーディなタテの攻撃には十分に注意が必要だが、脚を止めることなく組織的な守備を続けられれば、抑えることができるはずだ。
しかし日本が警戒すべきは、このベルギー戦のコートジボワールではない。フィジカルもメンタルも万全な状態で、現世代の最後の桧舞台に臨んでくるコートジボワールである。そのときの戦いは、まったく予断を許さない。