Jをめぐる冒険BACK NUMBER
判定を知ると試合の見方が変わる!?
Jを裁く審判の「4つの基準」とは。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAP/AFLO
posted2014/02/26 10:55
サッカーにおいて、強靭なフィジカルのぶつかり合いは魅力の1つだが、その接触もフェアであってこそ。公正でレベルの高いジャッジを期待したい。
JFAハウス9階の大会議室。スクリーンに映し出された試合の映像を見ながら、30人弱の報道関係者が審判として解答用紙の選択肢に「○」を付けていく。
昨シーズンのJリーグから抽出されたシーンが、全部で20。いずれもジャッジがひと筋縄ではいかないものばかり。
選択肢は1問につき7つ。そのシーンのプレーが「ノーファウル」なのか、「黄色の反則」、「赤の反則」、「黄色の反則+イエローカード」、「赤の反則+イエローカード」、「黄色の反則+レッドカード」、「赤の反則+レッドカード」のどれなのかを判定していく(黄色や赤はユニホームの色なので、白、紫、青など設問ごとに変わる)。
イエローカードかレッドカードかで迷うのはやさしいほうで、難しいものだと、攻撃側と守備側のどちらの反則なのか、あるいは、ノーファウルなのかで悩まされてしまう。
映像を見終えると、日本サッカー協会審判委員会の見解が示された。“答え合わせ”の結果、全問正解したのは、ひとりもいなかった。最高点は15点がひとり。かくいう僕は、7問間違いの13点だった。
判定の基準を共有する、毎年恒例のカンファレンス。
この成績を情けないと思わないでほしい。選手も同じテストに挑んでいるが、17点がちらほらいた程度。平均点は10~11点だったという。Jリーガーも判定基準を正確に理解しているわけではないのだ。
だからこそ、シーズン前に審判委員会が定めた判定のスタンダードを選手としっかり共有しておく必要がある。
そして、ルール講習会で選手が見たものと同じ映像を見てテストに挑み、「メディアも2014シーズンの判定基準(スタンダード)を学びましょう」というのが、この会――「2014シーズン JFA Media Conference on Refereeing」の趣旨だった。
毎年恒例の「JFA Media Conference on Refereeing」、今年はシーズンの到来を告げるゼロックススーパーカップを5日後に控えた2月17日に開かれた。