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田中将大、160億円でヤンキースへ!
注目は消耗度、3番手、発想の転換。
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![生島淳](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/-/img_746f83dd4814ce9e272d231112e07dfb3376.jpg)
生島淳Jun Ikushima
photograph byHideki Sugiyama
posted2014/01/23 11:30
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全米を騒がせた移籍騒動に決着をつけ、いよいよMLBへ向け本格始動する田中将大。20億円を超える年俸に応える活躍を見せることができるか。
昨季王者、レッドソックスと戦える先発布陣に。
昨季、ワールドチャンピオンに輝いたレッドソックスの4番手までと比較してみる。
●ヤンキース
サバシア 14勝13敗
黒田博樹 11勝13敗
田中将大 24勝0敗(日本プロ野球)
ノバ 9勝6敗
●レッドソックス
レスター 15勝8敗
ラッキー 10勝13敗
バックホルツ 12勝1敗
デュブロント 11勝6敗
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レスター対サバシアは、昨季の投球ぶりを見るとレスターに分があり、2番手の比較では黒田が上と見る。つまり、2人だと五分五分。ペナントを勝ち抜くためには3、4番手の安定性が重要になるわけで、田中の加入でようやく均衡が取れる。4番手クラスのノバとデュブロントはともに若手で、釣り合いのとれたマッチアップだ。
田中の加入によって、先発ローテーションの「格」が上がり、十分にポストシーズン進出を狙える布陣になったと見てよい。
ただし、ブルペンを考えると、ヤンキースは守護神のマリアーノ・リベラが引退したこともあり、「アンヒッタブル・クローザー」の上原浩治を抱えるレッドソックスの方が有利である。
もっとも興味深いのは、昨季の反動が出ないかどうか。
シーズンを通して、ヤンキースのジラルディ監督がどんなマネージメントをするのか興味深い。
私としては、今季の田中に注目したい点がいくつかある。
もっとも興味深いのは、昨季、レギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズと、アメリカでは考えられないような投球数を投げた影響があるのかどうか。
もちろん単年ではなくて、松坂大輔の例を見ると中長期的に観察していく必要があるが、昨季の反動が出ないことを祈りたい。